Archive for the ‘日記・コラム・つぶやき’Category

澪 25号 脱稿 – ホラーSFフォトストーリー

昨日、澪25号向けの原稿を編集担当の方へ提出した

私は、これまで、インド滞在中や津軽を旅した時のフォトエッセイを掲載させて頂いて来たが、今回は、編集長の先生より啓発を受け、ホラーSFフォトストーリーを作った。英語で書くと

Image1_20250131215601

です

ある理論物理学者が時空の齟齬を見つけて、実際にその場所に入り込んだ時に起こった物語だ。物語の建付けもかなり実験的だと思う

どうですか。怖くないですか。読みたくならないですか

そうですか…

2025/01/31
んねぞう

津軽三味線の精神性…バッハとの比較

私の車のカーナビにはSDカードに格納したmp3ファイルを再生する機能が付いている。昨日、車を運転していて、ちょっくらCorelliでも聴いてみんべか、と何気なくプレーヤーのスイッチを入れたら、案に相違して突然津軽民謡の、女性の朗々たる歌声が流れて狼狽えた。そのSDカードにはバロック音楽以外にも私のお気に入りの音楽が入っているので、同様にお気に入りの津軽三味線に関連した曲が入っているのは何もおかしくはなく、多分前回再生した時にこの場所で再生を切ったために、今回ここから再生が始まっただけの話である

耳と心がバロック音楽を聴くようになっていたところに突然津軽三味線が飛び込んで来たので、錆び付いた脳内スイッチのレバーをぎしぎしと切り替えているうちに、その両極(バロック音楽と津軽三味線)の違いが朧気ながら浮かび上がって来て、次のような事を思った


津軽三味線は、民謡の伴奏だった三味線を、津軽三味線の創始者とされる神原の仁太坊やその後継者達が独奏楽器として確立させたものだ。当時の主要な聴衆は農民で、三味線には民謡の伴奏としてしか期待されていなかったので、独奏楽器として出現した三味線に対して「三味線、降りでまれ!」(引っ込め)、「カラスだな」(民謡歌手と比べて抑揚のない演奏だなと言う意味か)と散々な言われようだった。これに対して、演者達は、何とかして聴衆の度肝を抜いて耳を傾けさせようと切磋琢磨して成立したのが津軽三味線だ。勝負は音量とテクニックで、「この野郎」、「なにくそ」と言う津軽人一流の頑固、意地っ張り、派手好き、進取の気性が作用して現在の叩きつけるような奏法の津軽三味線が成立した

以上が私の津軽三味線成立に関する大雑把な理解だ。話が飛躍するようだが、タイトルに書いた精神性の話になると、バッハを始めとするバロック音楽の宗教曲に見られる精神性の観点において、私は津軽三味線にその必要性を認めない。なぜならば、津軽三味線は虐げられた階層の人間が、自分の生存をかけた精一杯の叫びであり、聴衆に対する「なにくそ!」、「この野郎!」、「これでどうだ!」と言う挑戦であるからだ。まさに今日一日の露命を繋ぐに足る食べ物を得られるかどうかと言うレベルからくる叫びなのだ。語弊を恐れずに言えば、人間の原罪とか哲学的、宗教的な乙に澄ました議論とは無縁であり、聴いている側としても津軽三味線はとにかく相手の度肝を抜く音量、激しさ、テクニックが全てで良いと思っている

ただし、その演奏の陰に、私は津軽の自然風景、人々の暮らしと言うものを見てしまう。地吹雪の吹きすさぶ冬、一気に花咲く春、稲が青々と育ち、風が田畑を吹き渡る夏、実りの秋を迎え、岩木山を中心とした神域で開催される祭り、そしてそういう中で息づく人々の暮らし。私は津軽生まれでもなく、育った訳でもないのだが、東北南部の生まれで、津軽人と多少職場で付き合ったことがあり、またふとしたことで津軽三味線に触れることがあり、これが縁で何度か冬の津軽を訪れたり、本を読んだりして、徐々に私の津軽三味線観が形成されてきた。それではお前の見る「津軽の風景」とは何かと聞かれれば、写真家 小島 一郎(1924-1964)の写真集「小島一郎写真集成」を挙げたい。そこには、四季折々の津軽の風景、人々の生活が、自身も生まれ育った土地としての主体性をもって描写されている。演奏の影に私が勝手にその風景を思い浮かべているのだろうと言われればそれまでだが、その演者が生まれ育ってきた「津軽」と言うものが背景にあったからこそ演奏、曲そのものが成立し、その裏には共通する郷土愛、もっと言えば原風景の共有があることは誰にも否定できないと信じる。その基盤の上で津軽三味線弾きは津軽人の魂に訴えて来た。私はその原風景を上述の小島の写真に見ている。また、私自身もその欠片を求めて数回カメラを抱えて津軽を旅した。このことは文芸同人誌「澪」でも数回フォトエッセーとして発表もしているし、私の写真blog(んねブラ)にも掲載している

このブログのどこかで書いたと思うが、現在の津軽三味線はその存在の基盤が揺らぎつつある。「揺らぐ」と言う言い方が良くなければ、変わって来ていると言っても良い。今、津軽三味線を弾く人、習っている人は上に書いたような乞食同然の暮らしはしておらず、生活の基盤がしっかりしているからこういうことができるのであって、間違っても神原の仁太坊のように天然痘で視力を失い、三味線しか糊口を凌ぐ術がなく、あまつさえ渡し船の船頭の息子と言う、社会から蔑まれる境涯である訳がない。そのような点から、現代人の奏でる津軽三味線と、当時の三味線弾き達のなりふり構わず「叩く」三味線とは一線を画するものだと思う。本来の津軽三味線は、上述したように、物理的に食べ物(露骨に言えば米の一合、二合)を得るための「叩き」三味線だった。それが現代に生きる日本人の琴線に触れ、全国的に、時には海外公演で熱狂をもって迎えられるに至った。それは喜ばしいことである反面、その時から津軽三味線は「津軽」と言うルーツから乖離を始めた。津軽に生まれず、生活してその自然や人々の生活に触れたことのない演者が増え始めた。もちろん、津軽三味線に魅せられた人達が演奏しているのだから、その精神は受け継がれているのだろうが、その根底で確実に変化が起きていると思わざるを得ないのだ

これが良い、悪いというのではない。私の好きなバロック音楽の勃興期には、それまでのルネッサンス音楽の愛好家たちからはそれこそ「バロック」の本来の意味である「歪んだ」という形容詞が付与されているから、バロック音楽は当時「外道」と思われていたに違いない。しかし今日、バロック音楽は歴とした古典音楽としての一ジャンルとなっていて広く受け入れられていることは誰にも否定できないだろう。このような歴史的視点から、これからの津軽三味線は、地縁を離れて飛躍するという未来もあると思う。固陋な私は、本来の津軽三味線の由来に立脚して、少し距離を置いて見て行きたい、そう言うことである

今後の津軽三味線の発展の過程の中で、或いは奴隷として北米大陸に連れて来られた黒人の間から発祥したジャズのように広まって行き、普遍的なメッセージ性、精神性を獲得するということも考えられるだろう

津軽三味線発祥の地の記念碑

2025/01/03
んねぞう

んねブラ本家の終了

私は自前のdomainを持ち、blogを複数運営しているが、その一つに写真blog「んねブラ」がある。これはカメラメーカの一つであるシグマ社のカメラを使って撮影した写真が掲載されている写真家 三井 光一氏の「シグブラ」を模倣して2016年7月に立ち上げたものである(関連記事はこちら)

しかし、このご本家の「シグブラ」は残念ながら2024年12月をもって終了となってしまった。12年間続いたシグブラの最終回の記事はこちら。初代DPシリーズを持って撮り歩いた写真で最後を飾られている。この写真を見て、フォビオンセンサーの素晴らしさを思い出した。氏が「三振かホームランか」と書かれているのを見て、いや、確かにそうだったよねと。光量が十分あるときには、錆びた金属の表面や木の幹の肌の質感描写には肌に粟を生じせしめるほどの凄さを感じる。その界隈では、こういう被写体を「フォビオン物件」と言っていた。一方、赤は色飽和しやすく、起動時や撮影後の写真データの書き込みには時間がかかるし、なかなか気軽に持ち出して、と言う訳には行かないカメラだが、久しぶりに持ち出して撮りたくなった

撮りたくなって撮った結果はこちら

DP2xにSIGMA製ビューファインダーVF21(41mm用)を付けて

2025/01/02
んねぞう

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Raspberry PiのNAS化

この正月休みの暇つぶしに、大掃除の終わった昨年の大晦日から、手持ちのRaspberry Pi (Model 4B 4GB)と、よく名前を聞くフリーソフトのOpenmediavaultを使ってNAS(Network Attached Storage)を作って見た。別にNASを使う必要がある訳ではなく、単にNASできた、できたと喜ぶためだけのために。詳細手順はいろいろな人が共有してくれているので、ここでは手順の概要と私が嵌った壺に特化して書いて行く

材料

  1. Raspberry Pi (Model 4B 4GB)(以降RASPI)
  2. 不要となったNote PCから抜き取った2.5in. HDD(250GB,SATA)
  3. USB-SATAアダプタ

手順

  • HDDの初期化
    1. HDDはWindows PCのc:ドライブとして使われていたので、内部はいくつかのパーティションに分かれていた。Windowsの「ディスクの管理」ではパーティションの削除ができなかったので、”diskpart”コマンドを使ってパーティションを削除した
    2. 次に、USBアダプタを使ってこのHDDをRASPIに接続し、RASPI OSの”fdisk”コマンドでデバイス名を確認、パーティションを作成
  • RASPIでのフォーマットとマウント
    1. RASPIではHDDはEXT4と言う形式でなければならないらしいので、”mkfs.ext4″と言うコマンドでフォーマット
    2. マウントポイントとなるディレクトリを”mkdir”コマンドで作成
    3. “mount”コマンドを使ってディスクをマウント
    4. “chown”コマンドを使ってディレクトリのownerを変更
    5. 起動時に自動マウントさせるために”blkid”と言うコマンドを使ってディスクドライブのUUIDをメモし、”/etc/fstab”の中にこのUUIDを書き込む
  • RASPI OSのインストール
    1. Raspberry pi OS LITEのインストールが必要なのだが、64bitフルVersionのOSがインストールされているDesktop環境からいきなりOpenmediavaultのインストールを始めたので怒られた。 Micro SDにRaspberry pi OS LITEをインストールして、RASPIに挿入して起動、インストールした後、PCのDOS コマンドプロンプトでSSHから入らなければならないらしい。以降の作業はすべてリモートの(私の場合はWindows PC)SSH環境からとなり、RASPIの画面は、起動時に割り振られたIPアドレスの確認のため参照するだけ
    2. この先何度も失敗(後になってい分かったのがこれは失敗ではなかった)、試行錯誤して、Micro SDカードへのOS書き込みをして、RASPIに差し込んで、WindowsからのSSHで接続する度に「誰かが悪意を持って侵入しようとしているぞ」と言うかなり強い調子の警告が英語で表示されるのだが、これは前回接続した時の指紋が残っていて、新しく接続した時のものとの不一致のために起こっているものだそうで、このような時は”C:\Users\[user名]\.ssh\known_hosts”の中の一部を削除すれば良いらしい
    3. “sudo apt update”, “sudo apt upgrade”コマンドでのアップデートを実施
  • Openmediavaultのインストール
    1. 下記コマンドでOpenmediavaultをインストール

wget -O – https://github.com/OpenMediaVault-Plugin-Developers/installScript/raw/master/install | sudo bash

  • Openmediavaultの設定
    1. ブラウザで、RASPIのIPアドレスを指定すると、Openmediavaultの画面が立ち上がり、これに管理者ID/PWを入力してセットアップを開始する
    2. ストレージ>ディスクで表示されている対象のディスクを選択して、消しゴムアイコンを押して「ワイプ」する。ワイプには「クイック」と「セキュア」の2種類を選ぶことができるが、「セキュア」でワイプしたら大変な時間がかかった
    3. ストレージ> ファイルシステムでファイルシステムを追加、フォーマットはEXT4を指定して保存
    4. ストレージ> ファイルシステム> マウントのメニューファイルシステムのマウント
    5. サービス> SMB/CIFS> 設定メニューでWORKGROUPの有効化を指定
    6. サービス> SMB/CIFS> 設定メニューでSMB/CIFSの有効化を指定
    7. ユーザー> 共有フォルダメニューで権限設定
    8. ストレージ> 共有フォルダ> アクセスコントロールリストで権限設定
    9. この後WindowsのExplorerの”ネットワーク”にRASPBERRYPIが見えたのでダブルクリックしたところ”Windowsセキュリティ”なるものからユーザに対応したパスワードを入力しろと言われて、わからないながらいろいろ入力してが「間違っています」と言われ続け、これがためにRASPI OSの入れ替えを何度も繰り返した。これで大晦日の午後がつぶれ、翌元旦の午前中にWebで解決法が分かった。Windowsの「資格情報マネージャー」の「Windows資格情報」から、該当部分のエントリーを削除したところ、Openmediavaultのuser設定で設定したパスワードを使ってアクセスできるようになった。最も躓いたのはRaspi OSでも、Openmediavaultでもなく、結局Windowsだったという落ち

  • Windowsでドライブレターの割り当て

結果

ここまで来たところで1.16GBのファイルをWindowsPCからNASにコピーしたところ、約19秒で完了したので転送速度(Upload)は約660MB/Sだった

懸案として下記2点があるが、もうすでにこれらに取り組む気力はないので、そのうち気が向いたら手を付けることとしたい

  1. RASPIの固定IPアドレス化が必要なのだが、多分私の環境では、ネットワークプロバイダからの貸与品のルータの設定が必要だ。私程度の技量でこれを始めると我が家全体のネットワークがそれこそ弩壺にはまると思うので、触らないようにしておく
  2. 基本的に私のデスクトップPCは有線LAN、RASPIはWiFiでの運用としているのだが、今回は両方有線LAN環境で設定している。RASPIをWiFiで接続したとたんに有線LANで繋いでいるクライアントとの通信を確保するためにサブネットマスクだかルーティングだ何だか知らないものの関係で通信ができなくなり、その解決にまた壺に嵌ることになると思われる

【追記】その後ルータの設定メニューに固定IPアドレス指定メニューが見つかったので、MACアドレスと、それに対するIPアドレスを設定したところ、今のところ固定IPアドレスになっているようだ。ただし有線LAN接続のみの場合。夜、iPadから接続して見たところ、正常に接続できた。【追々記】その後RASPIをWifi接続した時のMACアドレスを調べてルータに設定したところ、有線LANとは別の固定IPアドレスが割り振られた。当然と言えば当然だが、有線LANとWiFiで同じIPアドレスが割り当てられることはない。有線LAN接続したデスクトップPCからの接続も問題なし。このRASPI NASこれをいつまでもLANケーブルを繋いで机の上に置いて置く訳にもいかないので、とりあえずWiFiに繋げて放置して置くことになるか…と言うことで上記2件の懸案はClose

で、冒頭に書いた通り、使い道は特にない

2024/01/01
んねぞう

M.2 SSD換装

先日導入した3DゲームのMicrosoft Flight Simulator(以後MSFS)の起動に時間がかかるので、業を煮やして結局大容量のM.2SSDを買った。MSFSのインストールに関するごたごたはここを参照。ブランドは宗教上の理由によりKIOXIAの2TB、NVMe, PCIe4.0

裏面には何もないので、いわゆる片面実装と言う奴だな

性能はほぼ仕様通り。これまで使ってきたKIOXIAの500GB(NVMe, PCIe3.0)のSSDはそのままバックアップとして保管する

換装にあたって、前回初めて512GBのSSDを設置した時と違うのは、拡張スロットにRTX4060が鎮座ましましており、SSDスロットが巨大空冷クーラーとの間の谷間に完全に埋没してしまい、どのようにしても到達不可能であること。下にグラフィックスボード、上には巨大CPUクーラーの張り出し、右にはメモリの壁でどうにもならない。クーラーを取り外すのは、復旧する時にCPUグリスが必要で、手持ちもなく面倒なので、それではグラフィックスボードを取り外してやろうと思って、ネジを緩めて引っ張って見たがなかなか取れない。ぐりぐりと引っ張っていたら「ぐきっ」と言う不吉な音と共にボードが抜けた。恐る恐る抜けた後のPCIソケットを見たら、何やら見慣れないプラスチック部品が転がっている。あ、これは力ずくで引っ張ったせいでグラボ固定のラッチがイカれたと一瞬で感得した。私は、起こってしまった後の状況を感得するのは素早いのだが、これをもう少し早く察知できたら、人生もっと楽に過ごせたのにな、と思う。下の写真は、これを見なかったことにして、しれっと元に戻した状態。高級なマザーボードだと大きなグラフィックスボードに対応するために、リンク機構を使って操作しやすい場所にレバーが設置されているのだろうな

さて、SSDを換装して、グラフィックスボードを差し込んで、モニタケーブルを差して、電源スイッチオンしても、システムは立ち上がっているようだが画面表示がない。グラフィックスボードを抜いてモニタケーブルをマザーボードのジャックにつなげると表示されるという現象に遭遇して、いろいろやっているうちにグラフィックスボードの補助電源を差し忘れていることに気が付き、解決(orz)。この過程でまたラッチの部品を飛ばしてしまっていることは黙っていようと思ったが書いてしまった

目的のMSFSの起動時間だが、換装前後の起動時間を測った結果が下記(起動から最初のメニュー画面になるまで)

起動が倍のスピードになったが、そんなものなのかな~と言う感じ。考えて見ると起動はディスクのアクセスだけでなく、データの展開、更新のチェック等も行っているのだから、10倍早くなるということもないわな、と無理やり自分を納得させている

2024/11/24
んねぞう

作品展

私の所属する写真倶楽部の作品展が開催された。私は白黒写真4点を出展させて頂いた。作品はそのうち写真ブログ「んねブラ」の「展示室」に晒します

2024/11/10
んねぞう

10

11 2024

マウス壊れた

数年来仕事とプライベートの両方で使っていたマウスのホイールが利かなくなった

Logicool M280と言う何の変哲もないマウスだが、7~8年前に買って、そうこうしているうちに在宅勤務体制に入って仕事で使いまくった挙句、右手小指の当たる部分のラバーがえぐれて地肌が露出した。仕事での汗と涙と鼻水にまみれてさんざん働いてくれたから、もう良いよね

それではと取り出したのが下のマウス

Logicool M305。10数年前に新橋駅前にあったヤマダ電機の店頭に吊るしで売られていたものを買った。小ぶりなので専ら出張時に使っていたのだが、今使って見るとドラッグで範囲指定する時の挙動がおかしくなっていたので、これも定年と言うことで、良いよね

読者に良いよねと聞いても返事のしようがないと思うが、ここは誰も来ないので、気兼ねなく聞ける。と言うか、この記事はこれらマウスたちの供養の意味で、私個人の記録として残す

残るは趣味のサークルのイベントのために100円ショップで買った100円マウスだが、これを使うわけには行かないので、LogicoolのM650Lを買った。静音で具合が良い

M650にはS/M/Lの3つのサイズがあるようだが、最寄りの電器店にはLサイズしかなく、迷ったがLサイズを買った。私のマウスの持ち方は、比較的小さな物をつまむようにして使っている系統らしいので、持ち方を変える必要があるようだ。これまで掌は何処にも接触していなかったが、今度のマウスは掌全体でマウスの山を包み込むようにして持つ。マウスカーソルの移動量が大きい時に、マウスを持ち上げて移動させる操作、これを私は「仕切り直し」と言っているが、大きいマウスは持ち上げるのに多少大きな力がいるようだ。これが連続して操作する時にどれくらい疲労に効いて来るかと、掌全体がマウスに密着することで汗がたまって不快にならないか(どうも私は掌が火照る体質のようで)が目下の関心事

2024/10/21
んねぞう

ゲーム始めました

えーっと、昨年PCを新たに組み上げるにあたってPC要件を検討する際に、「3Dゲームはしない」と規定した。だが、「硬派の俺はM.2 SSDなんか使わねんだ」と言った舌の根が乾いたのに続き、「ゲームはしない」と言った舌の根も乾いてしまい、Microsoft Flight Simulator (長いので以下MSFS)がしたくなったので、その機材をそろえた。必要なのはMSFSのソフト、フライトスティック、そしてグラフィックスボードである

グラフィックスボード

キーとなるのがやはりグラフィックスボードで、せっかく4kモニタがあるのでこれを使って遊びたい。WebやYouTubeで調べたところ、最低でもGeforceだとRTX4070以上が必要と言うことだった。しかしこれは私の予算を大幅に超過し、出せるのはRTX4060クラスまで。RTX4060はあくまでもFHD環境で快適に使えるレベルの性能とのこと。しかし下記の理由でRTX4060に賭けることにした。

  • 3Dシューティングゲームと違って極端に高いフレームレート(以下fps)は必要ない。最低で45fps程度が確保できれば良い。私のモニタもリフレッシュレートが60fpsだし
  • DLSS機能を有効にすれば、fpsが最大2倍になるらしい

と言うことで、RTX4060の巷で一番安かった下記のカードを買った

DOS/Vパラダイスで\44,800、8Pin×1電源コネクタ、DP×3、HDMI×1、デュアルファン。シングルファンの製品もあったが、2つのファンを低回転数で使うことによって冷却効率や騒音の面で有利ではないかと思って選んだ。右下の写真はこれまで使っていたGTX750Tiとの比較。大分出世した感がある

グラフィックスボードの長さが250mm程度あり、Micro ATXのMother Boardに取り付けたところ。ケース自体は338mmまで収容可能なのでスペースに余裕はあるが、今見ると若干垂れ下がっている。折を見てつっかい棒でも考える

フライトスティック

本当はAirbusではなくBoeingのタイプのヨークが欲しかったが、欲を言えばきりがないので定番らしいThrustmasterのAIRBUS Editionを買った

インストール – 事故

HDDにインストールするのに数時間かかった。あまりの遅さに、使い道がなく仕舞っておいた256GBのSATA SSD引っ張り出して、再度インストールを始めた。ところが何かのトラブルが起こってHDD1台が異音を出して代替セクタが異常に増えて、その巻き添えを食ったか、SSDも同様の事態となった。原因は、多分、ケースを開けて、ドライブ冷却用にUSB駆動のファンをケースの中に置いた置いたのがHDD上に落下した衝撃でヘッドがディスクに接触でもしたのだろうと思う。悪いことに、このファンには、座りを良くするために金属製の重りをタイラップで縛り付けていたため、HDDの本体にかなりの衝撃となったと思われる。幸いなことにディスクのバックアップは取っていたので、最近買った4TBのHDDにリストアして事なきを得た。と言うことでMSFSは残ったHDDにインストール

運用 – 設定

インストールした後、いろいろ設定を試行錯誤しているが、現在のところの設定は下記。因みに起動してこの画面に到達するまでに4分近くかかる

上記の設定で、飛ばして見た4k画面が下の画面。多分地形の高精細データが用意されているヨーロッパの空域を低空で飛んでいるので、条件としてはそこそこ厳しいのではないかと思うが、画面左上に小さく表示されているMSI Afterburnerでは55fpsと表示されている。この状態で瞬間的に極端にフレームレートが落ちて一瞬凍り付くということもないので、まあ満足

パラメータの正確な意味も分からずに設定しているが、気分に応じて色々振って見る、これも遊びの一つと思えば良い

運用 – システムのバランス

タスクマネージャを見ると、GPUの負荷と温度が70%/69℃であるのに対してCPUは負荷15%程度、使用メモリは12.4GBであり、GPUに対してCPUには非常に余裕があるというアンバランス状態であることが確かめられた。これはRTX4060を選択した時点でわかっている。GPUメモリが8GB中7.3GB程度使われているが、仮にこれが12GBだったらGPUのパフォーマンスは向上、その分CPUの負荷が上がり、全体としてパフォーマンス(fps)が向上するのだろうか。また、メモリの搭載量は現状16GBだが、これを仮に32GBに増量すると、多少はパフォーマンスは上がるのだろうか

気になったのは、Crystal Disk Infoでモニタリングしながら運用していたら、突然チンチロリンと言う音がして、C:ドライブの温度が赤く60℃の表示となっていたこと。これはM.2のSSDで、Mother Boardの配置上グラボとCPUの間にあって、グラボの熱風が上空を流れている環境のため、排熱がうまく行っていないためと思われる。この対策をしなければいけないのかも知れない。ケース内のエアフローを考えると、一筋縄ではいかない気がする。SSDを今の場所(CPU直結)からグラボの下にあるNVMeソケット(チップセット接続)に移し替えると言う方法も含めて、そのうち試して見たい

2020/8/31
んねぞう

福原路草とハンマースホイ

新型コロナウィルス蔓延以来数年ぶりに美術館巡りをした

最初に訪れたのは東京都写真美術館で開催されていた企画展のうち、3Fの「時間旅行」と2Fの「記憶・リメンブランス」

3Fの「時間旅行」は、宮沢賢治の詩集の一節をモチーフとして、写真の持つ時空を超えた記録性に着目してそれぞの場所で紡ぎ出される物語と出会う、と言うもの。ここで私が惹かれたのは次の2点

■熊沢麿二「かげ」(収蔵品検索では「影」)
https://collection.topmuseum.jp/Publish/detailPage/17431/

■福原路草「トタン塀」(収蔵品検索では「塀」)
https://collection.topmuseum.jp/Publish/detailPage/30287/

ここで3時間ほど過ごした。私の鑑賞の方法は、まず一通り順路に従って見た後、再入場するか、順路を逆回りしたりして、もう一度見る。然る後に、この中で自分が好きな作品は何かという視点で、今度はランダムに歩いて、いろいろな作品の前にじっと佇んで見るというスタイル。その中で、人の波が寄せたり、引いたりしていることが分かるので、人が蝟集している場所は避けつつ、自分一人で鑑賞ができるタイミングがつかめて来る。会場を何度も行ったり来たりするので、監視の係の人には異常に見えているかも知れない。挙動不審で声をかけられたら、その時は説明するまでさ

「かげ」は1924年、ちょうど今から100年前に撮影された、漆喰の壁に冬の枯れ木の枝の影が落ちている構図の、セピア色の写真である。前景に常緑樹の枝があしらわれ、人物は入っていない

「トタン塀」は、波板のトタン塀が画面下半分を占め、残りの上半分は晴れた空をバックに塀の陰からひょろっと何かの枝が垂直に伸び、塀には、撮影者の背後の家の屋根が三角の影を落としている。前の写真の10年後の1934年撮影

これらの2つの写真の共通点は、シンプルな構図の中に、光と影が効果的に配置されているということだろうか。特に「トタン塀」には、塀と枯れ枝、家屋の影以外の構成要素はないが、その奥の世界を思わせる。こういう感想は、多分この写真を見た多くの人が持つのではないかと思う。ひょっとして私だけという可能性もなくはないが、これを認めてしまうと話が進まないので、ここでは多くの人が私と同じ感想を持つということにする

本題はこれからなのだが、このようなシンプルな写真は、実は私も撮る。例えばこのような写真(私の写真ブログ「んねブラ」より)

この拙作と前2作品の共通点は、構成要素がシンプルであることだが、これらの写真の評価には雲泥の差があることは間違いない。この差が何か、ということがわからない

写真は誰のために撮るものでもない、自分のために撮るものであるとは、私が所属している写真教室の先生の言葉であるが、まさにその通りで、人に見せるでもく、展覧会に出展するでもなく、他人が自分の写真をどう評価しようが知ったことではなく、自分が良いと思ったら撮る、それが基本だと思っている。ただ、自分の撮った写真が、人類普遍の美の基準も併せて満たしているのであればさらに良いだろうと言う欲が多少ある。それは、商業写真として見た時に良い写真だったり、写真コンテストで上位入賞を狙えるようなノウハウを駆使した写真ではなく、自分がどういう気持ちなのか、どのように物を見ているかをわかって貰える、少なくとも「ほう。で?」と言われないような写真ができれば良いと言うこと。だから何年も写真教室に通っていながら未だに本質をわかっていない人間が、多分死ぬまで解けないだろう疑問を抱えつつ美術館界隈をうろつくのだ

2Fの「記憶・リメンブランス」は、疲れて来たこともあって、さしたる感興も起こらず、次いで上野の西洋美術館の常設展に行く

ここでは、

■ヴィルヘルム・ハンマースホイ 「ピアノを弾く妻イーダのいる室内」
https://collection.nmwa.go.jp/P.2008-0003.html

と言う油彩画が強く印象に残った(URLは国立西洋美術館の収蔵品検索)。すごく静謐(静謐にすごいも何もあるのかと言う疑問はあるが)を感じる絵画であり、妻への慈しみが感じられる光景でもあった

硬質の木の床、磨き上げられた木製のテーブルの上に錫(銀?)の皿、開け放たれた扉の奥の部屋で、華奢な後ろ姿でピアノを弾いている妻イーダ。左の窓からは北欧特有の白い、傾いた光が差している。全体に色彩とトーンが抑えられ、薄暗い室内に窓から差した斜めの光が妻のうなじを白く浮き立たせているのが印象的だ。弾いているのは、リストやショパンのポロネーズとかではなく、サティや、それほど有名ではない作曲家の小品でありたい

帰り道、これもまた数年ぶりに一人反省会をするために居酒屋に入ったら、ちょうど2時間飲み放題をやっていたので頼んだ。上に書いたようなことを考えつつ飲んで、帰る頃にはべろんべろんになったことは秘密にしておこうと思ったが、書いてしまった

2024/06/07
んねぞう

10

06 2024

変態キーボード(青軸)

連休に入り、これまで仕事や趣味で使ってきたFilcoのMajestouchのキーボード(変態キーボード)の掃除を試みた。手始めに青軸

キートップにひらがなのシールを張り付けて使っていて、大分くたびれて来た。このシールがボロボロになる頃にはブラインドタッチをマスタしている予定だったが 、一向に進歩が見られないので撤去する。進歩がないどころか退行しているフシさえある

シールを剥がすのにあたって、初めカッターナイフを使ったが、結構柔らかくて、爪でこそげて剥がせた。ただしシールの糊分が残る

Key pullerを使ってキーを引き抜く。ただし、Shift、Enter、Spaceは裏にスタビライザのリンク機構があり、いったん外すと戻すのが大変なのは経験上分かっているのでそのまま

食器用洗剤を薄めた液で一つ一つ洗った後、洗面器でゆすぐ。キーキャップが水流でからからと音を立てて転がっている様は何となくアサリか何かを砂抜きしているようにも見える。やったことないけどな

表面の水分はキッチンペーパー等で拭き取れるが、裏側の凸凹の部分は、キッチンペーパーを敷いた上に打ち付けて水を落とすようして、残った水分は、裏返しにして、5V USB電源で回るファンで風を送って乾燥する。約3時間で乾いた

キーキャップだけでなく、ベース部分にも髪の毛や埃がたまっていたので、エアダスターで吹き、アルコールティシューとピンセットで綺麗にして、復元

キートップには、”R”,”T”,”Y”のキーにはそれぞれ「す」、「か」、「ん」のシールの跡が読み取れるが、”E”(「い」)はキーを多用しているためとっくの昔に剥がれていたので、跡がない

ここで一つ疑問。キーキャップを付けた時と、付けていない時の音の大きさがかなり違うのは、如何なる作用によるものであろうか

キートップの張替用として、Amazonで黒色のキートップシールが売られていたので、まずは これを試して見る。13mm角と言うことで、このキーボードのキーキャップと同じ、もしくは少しはみ出そうな感じがするのだが、Webで調べて見るとLenovoのThinkPadに貼っている記事があり、それほどでもなさそうなので

ピンセットを使って貼り付け

案外綺麗にできた。13mm角のシールではキートップからはみ出すのではないかと思ったのだが、しっかり収まっていた。キートップの大きさを計るときに老眼で定規の目盛りを読み間違えたか?

キーキャップとベース部分を徹底的に綺麗にして、非常にさっぱりした。前から比べると大分地味になった。そのうち赤軸の奴でもやるか

2024/04/29
んねぞう