写真プリントのスキャン

自分が生まれてからこのかた、折々に親が写真を撮ってきてくれたお陰で、幼い時の自分、家族、風景を振り返ることができる。長じて自分で写真を撮れるようになっても、西暦2000年に父の死去のタイミングでデジタルカメラを買うまでは、全てネガ或いはリバーサルフィルム、プリントでの管理であった。

帰省の折に、極くたまに本棚や押入れに積んである、古色蒼然たるアルバムを手に取り、思い出に浸る。

と同時に、この思い出の縁(よすが)となる紙が、将来この家が無住となった時に、どのように受け継がれるか、と言う心配をせざるを得ない。と言うのは、現在、結婚した後の自分の家族に関するアルバムが既に20冊以上ある。加えて、自分が生まれて、学校を卒業して都会に出るまでの間の写真のアルバムが10冊以上ある。これらを保管するスペースは、我が家にはない。あっても、良好な状態で保管する環境は、我が家にはない。このせいで、私が学生時代に撮り貯めていたリバーサルフィルムが駄目になった。これについてはまた稿を改めて記すが、いずれにしても、文化財でもない我が家の写真が永久に保存されることなど望むべくもなく、せめて子供達位までには受け継がれて欲しい訳だが、この高度情報化社会で、紙の写真の電子化(イメージング)と言う有難い方法がある。

今回、PFUと言う、私的にはHappy Hacking Keyboardと言う特徴的なキーボードで知られる会社から、Omoidoriと言う写真のスキャニングツールが発売されているのを見付けた。これはiPhoneと対で、L版は1ショットで、2L版は2ショットでスキャンできるものである。要はiPhoneのカメラをイメージスキャナーとして使うのだが、重要な点は、アルバムに貼った写真とその上のカバーからの余計な反射光を除去する仕組みを備えていることである。これだと思い、私にしては迅速な決断で買って、スキャンを始めている。この週末でアルバム6冊、約960枚をスキャンして見た。

収納状態。窪みにiPhoneを嵌め込む。

手持ちのiPhone 6sを付けた所。パカっと開いて写真に被せるように置く。遮光板が開いて外光が入らないようにしてくれる。

下から覗いたところ。両側の4箇所からLEDが光っているのがわかる。iPhoneのアプリを開いてボタンを押すと、片側の2つのLEDが光って撮影、次に反対側の2つのLEDが光ってもう一度撮影、この2枚の写真をアプリが合成して光の反射を除去すると言う仕組み。Lサイズの写真を1ショットで撮れるが、2Lサイズの写真も、画面の指示に従い、ずらしながら2回撮影すれば取り込むことができる。

肝心の出来栄えだが、Lサイズのスナップ、記録写真としてはまず不足はない。手持ちのiPhoneのバックカメラの画素数は12MP, 4032 * 3024であるが、撮れた写真の実ピクセル数は 約3000 * 約2000、ファイルサイズは1MB前後であった。

普及型のプリンタ複合機でA4の資料をスキャンしているが、400dpiで2分近くかかっているのと比べると、面積の違いはあるにしろ、一旦ボタンを押すとカシャッ、カシャッと2回続けてシャッター音がして終わりと言うのとウィーンウィーンとまったりと時間をかけてスキャンするのとはスピード感が格段に違う。

問題はその後である。私の最終目的はクラウドで家族で共有、そしてDVD等のメディアに保存することなのだが、スキャンされた写真はiPhoneのカメラロールに保存される。これを何とかしてパソコンに送りたい。iPhone 写真アプリから、写真を選択してGoogle Driveに送ろうとしたら、多くの写真を一度に指定するとアプリが落ちてしまう。仕方がないので、iPhoneのメールアプリから添付ファイルの上限近くまでの写真を添付して自分宛に送信し、受信したパソコンからアップロードした。この手間が半端ではなかった。一冊のアルバムをスキャン、メールで送信、添付ファイルをGoogle Driveにアップロード、ファイル名にキャプションを付けてファイル 名変更(xx年yy月zz日××の結婚式等)、パソコンのローカルにダウンロード、その際に生じたファイル名の文字化けをパソコンで修正、でアルバム1冊あたり1時間を要する。そのうちOmoidoriによるスキャン時間は約15分。

2017/07/09

んねぞう

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