Author Archive

福原路草とハンマースホイ

新型コロナウィルス蔓延以来数年ぶりに美術館巡りをした

最初に訪れたのは東京都写真美術館で開催されていた企画展のうち、3Fの「時間旅行」と2Fの「記憶・リメンブランス」

3Fの「時間旅行」は、宮沢賢治の詩集の一節をモチーフとして、写真の持つ時空を超えた記録性に着目してそれぞの場所で紡ぎ出される物語と出会う、と言うもの。ここで私が惹かれたのは次の2点

■熊沢麿二「かげ」(収蔵品検索では「影」)
https://collection.topmuseum.jp/Publish/detailPage/17431/

■福原路草「トタン塀」(収蔵品検索では「塀」)
https://collection.topmuseum.jp/Publish/detailPage/30287/

ここで3時間ほど過ごした。私の鑑賞の方法は、まず一通り順路に従って見た後、再入場するか、順路を逆回りしたりして、もう一度見る。然る後に、この中で自分が好きな作品は何かという視点で、今度はランダムに歩いて、いろいろな作品の前にじっと佇んで見るというスタイル。その中で、人の波が寄せたり、引いたりしていることが分かるので、人が蝟集している場所は避けつつ、自分一人で鑑賞ができるタイミングがつかめて来る。会場を何度も行ったり来たりするので、監視の係の人には異常に見えているかも知れない。挙動不審で声をかけられたら、その時は説明するまでさ

「かげ」は1924年、ちょうど今から100年前に撮影された、漆喰の壁に冬の枯れ木の枝の影が落ちている構図の、セピア色の写真である。前景に常緑樹の枝があしらわれ、人物は入っていない

「トタン塀」は、波板のトタン塀が画面下半分を占め、残りの上半分は晴れた空をバックに塀の陰からひょろっと何かの枝が垂直に伸び、塀には、撮影者の背後の家の屋根が三角の影を落としている。前の写真の10年後の1934年撮影

これらの2つの写真の共通点は、シンプルな構図の中に、光と影が効果的に配置されているということだろうか。特に「トタン塀」には、塀と枯れ枝、家屋の影以外の構成要素はないが、その奥の世界を思わせる。こういう感想は、多分この写真を見た多くの人が持つのではないかと思う。ひょっとして私だけという可能性もなくはないが、これを認めてしまうと話が進まないので、ここでは多くの人が私と同じ感想を持つということにする

本題はこれからなのだが、このようなシンプルな写真は、実は私も撮る。例えばこのような写真(私の写真ブログ「んねブラ」より)

この拙作と前2作品の共通点は、構成要素がシンプルであることだが、これらの写真の評価には雲泥の差があることは間違いない。この差が何か、ということがわからない

写真は誰のために撮るものでもない、自分のために撮るものであるとは、私が所属している写真教室の先生の言葉であるが、まさにその通りで、人に見せるでもく、展覧会に出展するでもなく、他人が自分の写真をどう評価しようが知ったことではなく、自分が良いと思ったら撮る、それが基本だと思っている。ただ、自分の撮った写真が、人類普遍の美の基準も併せて満たしているのであればさらに良いだろうと言う欲が多少ある。それは、商業写真として見た時に良い写真だったり、写真コンテストで上位入賞を狙えるようなノウハウを駆使した写真ではなく、自分がどういう気持ちなのか、どのように物を見ているかをわかって貰える、少なくとも「ほう。で?」と言われないような写真ができれば良いと言うこと。だから何年も写真教室に通っていながら未だに本質をわかっていない人間が、多分死ぬまで解けないだろう疑問を抱えつつ美術館界隈をうろつくのだ

2Fの「記憶・リメンブランス」は、疲れて来たこともあって、さしたる感興も起こらず、次いで上野の西洋美術館の常設展に行く

ここでは、

■ヴィルヘルム・ハンマースホイ 「ピアノを弾く妻イーダのいる室内」
https://collection.nmwa.go.jp/P.2008-0003.html

と言う油彩画が強く印象に残った(URLは国立西洋美術館の収蔵品検索)。すごく静謐(静謐にすごいも何もあるのかと言う疑問はあるが)を感じる絵画であり、妻への慈しみが感じられる光景でもあった

硬質の木の床、磨き上げられた木製のテーブルの上に錫(銀?)の皿、開け放たれた扉の奥の部屋で、華奢な後ろ姿でピアノを弾いている妻イーダ。左の窓からは北欧特有の白い、傾いた光が差している。全体に色彩とトーンが抑えられ、薄暗い室内に窓から差した斜めの光が妻のうなじを白く浮き立たせているのが印象的だ。弾いているのは、リストやショパンのポロネーズとかではなく、サティや、それほど有名ではない作曲家の小品でありたい

帰り道、これもまた数年ぶりに一人反省会をするために居酒屋に入ったら、ちょうど2時間飲み放題をやっていたので頼んだ。上に書いたようなことを考えつつ飲んで、帰る頃にはべろんべろんになったことは秘密にしておこうと思ったが、書いてしまった

2024/06/07
んねぞう

10

06 2024

文芸同人誌「澪」23号 – もう書くことがない

私の所属している文芸同人誌「澪」の第23号が3月に刊行され、昨日同人による合評会が開催された

前号(22号)の私のフォトエッセイに対して、同人から一様に受けた指摘は、写真を撮ったその場で、自分が何を考え、何を思ったのかを前面に出した方が良いというものだったので、今号はそのようにしてみた。その結果、合評会の席では、自分を「偽善者」と規定してしまっていること、特に最後の頁ではこの言葉が3回も使われていることなどから、なぜ自分を偽善者と規定したか、と言う点に議論が集中した。自分なりに、本当に考えたことをそのまま文章にして、書ききったことに対して、同人には真摯に読んで頂き、議論して頂いた

— それはそうとして —

自分がどう考えたか、と言うことについて、考えていることを突き詰めて書いた。フォトエッセーとして、インドだろうが津軽だろうがどこで何を撮って書いても、結局は23号に書いてあることがすべてなので、もうこれ以上書くことがない

次の原稿をどうしよう

2024/04/30
んねぞう

30

04 2024

変態キーボード(青軸)

連休に入り、これまで仕事や趣味で使ってきたFilcoのMajestouchのキーボード(変態キーボード)の掃除を試みた。手始めに青軸

キートップにひらがなのシールを張り付けて使っていて、大分くたびれて来た。このシールがボロボロになる頃にはブラインドタッチをマスタしている予定だったが 、一向に進歩が見られないので撤去する。進歩がないどころか退行しているフシさえある

シールを剥がすのにあたって、初めカッターナイフを使ったが、結構柔らかくて、爪でこそげて剥がせた。ただしシールの糊分が残る

Key pullerを使ってキーを引き抜く。ただし、Shift、Enter、Spaceは裏にスタビライザのリンク機構があり、いったん外すと戻すのが大変なのは経験上分かっているのでそのまま

食器用洗剤を薄めた液で一つ一つ洗った後、洗面器でゆすぐ。キーキャップが水流でからからと音を立てて転がっている様は何となくアサリか何かを砂抜きしているようにも見える。やったことないけどな

表面の水分はキッチンペーパー等で拭き取れるが、裏側の凸凹の部分は、キッチンペーパーを敷いた上に打ち付けて水を落とすようして、残った水分は、裏返しにして、5V USB電源で回るファンで風を送って乾燥する。約3時間で乾いた

キーキャップだけでなく、ベース部分にも髪の毛や埃がたまっていたので、エアダスターで吹き、アルコールティシューとピンセットで綺麗にして、復元

キートップには、”R”,”T”,”Y”のキーにはそれぞれ「す」、「か」、「ん」のシールの跡が読み取れるが、”E”(「い」)はキーを多用しているためとっくの昔に剥がれていたので、跡がない

ここで一つ疑問。キーキャップを付けた時と、付けていない時の音の大きさがかなり違うのは、如何なる作用によるものであろうか

キートップの張替用として、Amazonで黒色のキートップシールが売られていたので、まずは これを試して見る。13mm角と言うことで、このキーボードのキーキャップと同じ、もしくは少しはみ出そうな感じがするのだが、Webで調べて見るとLenovoのThinkPadに貼っている記事があり、それほどでもなさそうなので

ピンセットを使って貼り付け

案外綺麗にできた。13mm角のシールではキートップからはみ出すのではないかと思ったのだが、しっかり収まっていた。キートップの大きさを計るときに老眼で定規の目盛りを読み間違えたか?

キーキャップとベース部分を徹底的に綺麗にして、非常にさっぱりした。前から比べると大分地味になった。そのうち赤軸の奴でもやるか

2024/04/29
んねぞう

HDD交換

HDDのお引越し

前の記事に続き、日ごとに増える代替セクタの数に慄きながら待つこと2日、HDDが届いた

エンタープライズグレード、国内正規品5年保証が何となく頼もしい。箱の裏面の能書きを見ると、CMRがより高い書き込み性能だとメーカも認めているようだ

早速開封して初期化、やっこらせとデータの移動をして、何とか終わった。これで1日が潰れた

不要HDDの初期化

次に、壊れたHDDの処分にあたって、データの消去を試みる。対象のHDDとC:ドライブのSSDだけを残して他のHDDは外し、ドライブ名を間違え様のないようにして、最近お馴染みになったWindows(DOS?)のdiskpartコマンドでClean allオプションコマンド発行。なかなか終わらない

夜間も放置していたが、途中でスリープしてしまったようで、翌日朝から再開。いくら待ってもdiskpartのコマンドプロンプトに、Webに書かれているような正常終了のメッセージも出ないし、タスクマネージャでは、当該ディスクのアクセスはゼロになっているし、業を煮やしてCtrl-Cしたら、「正常に初期化されました」と言うメッセージが表示された

再度Windows管理ツール – コンピュータの管理 – ディスクの管理 メニューでボリュームを作成し、その段階でCrystalDiskinfoで調べて見たら、やはり代替処理セクタはしっかり残っていた。ハード的エラーなので、残っていて当然だということを確認

ここまで確認し、再度DiskpartのClean allコマンドで初期化する。今回は、PCは5時間は寝ないように設定。翌朝どうなるか。DC 5Vで駆動するファンをPCのUSBに繋ぎ、HDDに風を当てながら放置する。タスクマネージャを見ていると、HDDの書き込みが150~165MB/Sで進んでいるので、単純に考えると2,000,000MB ÷ 150MB/S = 約4時間で終了する計算になるのだが

当夜は寝てしまい、明朝見て見ると、PC自体は寝てしまっていたが、Cleaning自体は寝る前に終わっていて、正常終了のメッセージが出ていたので一安心。調子に乗って他にもいろいろなHDDやSSDでClean allして、最終的に我がDesktop PCの蓋を閉めるにあたって、HDD3台→2台体制になり、SATAのケーブル類が大分すっきりして、下の写真のようになった。向かって右側のHDDは、以前はもう一台フロントパネルと7のHDDに挟まれるような形で付いていたのだが、スペースに余裕ができた。と思ったが、前の写真と比べて、大して変わっていなかった。赤いSATAケーブルがなくなった位か

今回の教訓

Diskpartコマンドで、最終的な手段はclean allオプション。有無を言わさずディスクまるまる一台全体を初期化できる。データの消去もある程度できるらしいので、売却の時にも安心か
また、cleaningは起動したドライブ自身は対象とならないので、Disk IDを間違えて自分自身を消去する心配もない

2024/04/17
んねぞう

HDD壊れそう?

新しいノートPCを買っていろいろ調べていた。ついでにCrystaldiskinfoでデスクトップPCのドライブを確認したところ、思いがけず1台のHDDで「注意」の表示が出ていた。

異常の発生したE:ドライブ

異常が発生したのはE:ドライブで、製造が2013年11月、F:ドライブも同形式で2014年2月製造のものなので、比べて見る

正常なF:ドライブ

以下はこの数値をもとに自分で勝手に考えた推論なので、真に受けないで欲しい

  1. E:ドライブの代替処理済セクタ数が16進数で1A3と言うことは10進数では419個(翌日見たら1AAになり7か所増えて426か所となっていた((((;゚Д゚))))- 翌々日は130増え553となっていた)
  2. 現在値が異常のないF:ドライブの代替処理済のセクタ数の項目の現在値が100で、異常の発生したE:ドライブが86と言うことは、値が14悪化した
  3. 異常のあるセクタ数419個を14で割ると、現在値が1悪化すると約30の代替セクタが増加する
  4. 閾値が5までなので、100から5まで、95悪化するためには、30 × 95 = 2,850セクタ、まだ2,200セクタ余裕がある

と言うことで、

異常もとい以上
Dismiss!

などと言う気持ちにはなれない。早速HDDの購入の検討に入る

異常が発生したHDDは2TBのものだが、今後のデータ増加に備えて、4TBのものを考える。ブランドは宗教上の理由で東芝。Kakaku.comでは、下記の2種類のHDDが目についた

DT02ABA400 5,400rpm SMR 2019/12発売
MG04ACA400N 7,200rpm CMR 2023/11発売

前者と後者の違いはSMRとCMRの違い。SMR(Shingled Magnetic Recording :瓦記録方式)は新しく開発された記録方式で、高密度の記録が可能でコストが安くできる代わりに、頻繁に書き込み等を行った際に、何かのトラブルが発生した時にデータの欠損が起きる可能性がCMRより高いらしい

型番の上2桁にも意味があり、DTは一般のデスクトップ向け、MGはニアラインと言って、Online storage向けで高信頼性のもので、企業向けらしい。私の使い方は、別にニアライン的な信頼性はあまり必要ないものの、昨年から日中PCを立ち上げている時間が長くなっていることから、24時間連続運転を前提としているMGの方が良いかも知れない。ただし、価格はDTの5割増しなので思案の末、データはPricelessと言う常套句で自分を納得させてMGの方をぽちった。ドスパラで14,960円

2024/04/12
んねぞう

新規ノートPC導入

先日ノートPCを壊したが、やはりどうにもならず、結局新しく購入した

Chuwi Minibook X N100

プロセッサIntel N100
メモリ12GB LPDDR5
ディスプレイ10.51 インチ, 1920 x 1200, 16:10 IPS
重量約920g
キーボード日本語 バックライト付き
OSWindows 11

この手のPCで手頃な価格のものはこれ一択だが、諸々調べて見ると評判も良いので、決めた。以前このメーカがN100搭載のノートPCを出したのが気になっていたので、ちょうど良い。これは英語キーボードだったので、私には使えないが、こちらはサイズが小さくて手頃で日本語キーボードで、メモリは8GBではなく12GB搭載しているのも良いので、これしかないでしょう。と言うことでぽちった

到着した直後、仕事がひどく忙しく、セットアップが終わったのが一週間後の金曜日だった。これまでにやったことは下記。大変だった(苛立たしかった)順番に書くと次のようになる。苛立ち度を×の数で、助かった度を〇の数で表している

××× Microsoft Officeの移動

なぜMicrosoftは永久ライセンスのユーザにすんなり自分の持っているライセンスを使ってインストールさせないのだろう。私はOffice2019のソフトをダウンロードしたいだけなのに、Micro365の事ばかり推して来て、その先どうしたら良いか分からなくさせて、諦めて365のサブスクリプションをさせようとしているとしか私には思えなかった。ChatGPTに聞いて、やっとやり方が分かる始末。Microsoftに対する不信感を持った

×× かな入力での長音記号”ー”の入力方法の調査

日本語入力は、私はかな入力である。初めてのバックライト付きキーボードだぜうぇーいと思いつつ入力していたところ、長音記号”ー”の入力ができないことに気が付いた。よく見ると普通のキーボードにあるバックスラッシュ(円記号)”\”やパイプ”|”のキーが見当たらない。普通はこのキーに長音記号が割り当てられている。これには本気で悩んだ。Webで調べても碌な解決方法が見つからず、返品も考えたが、Amazonのレビューの中に、この入力方法を書いておられた方があり、これで助かった。躊躇なく「役に立った」ボタンを押させて頂いた。因みに入力方法は”Fn”+”ろ”。一時、やはり中国メーカは、所詮外国語である日本語の対応はなおざりなんだな等見当違いの思いを抱いた。しかし、Amazonのレビュアーも書いていたように、”Fn”ではなく、なぜ”Shift”+”ろ”にしてくれなかったんだろうパイプ記号”|”も入力できないままだが、疲れたので、これは本当に困ったときに対応すんべ

× 回復ドライブの作成

今回のPC購入の発端が、前のPCが回復ドライブでの回復ができなかったことなので、信頼度は一気に下がってしまったが、一応作成

〇 Adobe Lightroom 5のインストール

私がMainのデスクトップPCのWindows11への移行を躊躇している一番の理由は、このソフトとプリンタドライバの互換性の懸念。今回は、最初からWindows11がインストールされているPCのため、Lightroomをインストールして立ち上げ見たところ、大丈夫そうだったので、大いに安心した

〇〇 プリンタドライバのインストール

私が2010年代に買ったEPSONの写真印刷用のA3ノビ対応のプリンタのドライバをインストールしようとメーカのHPにアクセスしたら、なんとWindows 11のドライバが公開されていた。生産終了の後、補修対応期間も切れて久しいのに、ドライバを開発してくれていた神対応に感激した

以下はPCに対する感想

USB Type Cのジャックが右側に2つ集中している。どれも電源、データインタフェース等同等の機能らしいができれば左右に振り分けて欲しかった。

USB Type Aジャックがないので、無線マウスを繋ぐときにはHubが必要

WiFiと比べて有線LANの方がスピードが速いので、自宅で使うときには有線LANにしたい。LANポートがないのでHubが必要。

外部ティスプレイを繋ぎたいのだが、HDMIポートがない。これはボディサイズから無理か。

上記を勘案すると、最終システムは下記のようになるか

Case A 自宅での作業

Case B 出先での作業

2024/4/7
んねぞう

ノートPC壊れた(壊した?)

このところChromebookに興味を持ち、YouTubeでもその関連のチャンネルを視聴していた。手持ちの底辺Windowsマシンも良いのだが、例えばメモを取るのにさっと起動してぱぱっと入力してさっとしまう、そういうスタイルも良いなと思うようになっていた

世の中にはWindowsやMacintoshのようなOSの一種としてあのGoogleが出しているChrome OSというOSがあり、Chromebookと言うカテゴリでそれなりのブランドで販売されている。その特徴は基本はChromeブラウザベースで稼働し、機器の仕様はWindowsで言うと底辺クラス、例えば今自分が持っているCeleron N4020、メモリ4GBで十分機能するというもの。ただし、このChromebookは負荷の重い作業、例えば静止画、動画の編集、3Dゲーム等には全く向かず、テキスト入力、ブラウジング、ちょっとしたドキュメントの作成、編集に限られる。これに特化した使い方であれば十分なものであり、私のサブマシンの位置づけに合致している

WindowsマシンにもこのOSがインストールできるようになっており、Chrome OS Flexと言う。インストールにあたっては、WindowsのChromeブラウザに拡張機能をインストールし、これを起動してUSBメモリにインストーラを構築して、これを差し込んで起動するようになっている。起動した時は、このままOSをインストールするのか、インストールしないで、環境を試して見るかの選択ができるようになっている。この機能検証を上述のWindowsのサブマシンで行っていた

そのような中、事件は一昨日の夜起こった

前日検証をしていたのだが、一旦スリープ状態になると復帰しないので、これ以上の機能を確認したいので、一昨日の夕食の後、酔った勢いでインストールを行った

その後の事象のシーケンスは下の絵の如くなっている

Chrome OS Flexをインストールしても、スリープから復帰もしないし、モニタをぱたんと閉じてまた開けても画面が表示されないし、だめだこりゃと思って、以前取っておいたWindows回復ドライブを使って回復しようとしたら、回復の途中でエラーになって進まない。いろいろなメニュー、オプションで何度やっても解決できていない

然らばUbuntuでも、と思ってインストールしても画面が乱れて使い物にならず

結局のところ、Windowsの元の環境に戻せず、さりとてChrome OS Flexも中途半端な状態で使い物にならず、もう一つの逃げ道と思っていたUbuntsもがめんがくしゃくしゃで話にならないという八方塞がりの状態だ

もう少しじたばたして見るが、これが駄目だった時のシナリオも上の絵に描いておいた

2023/03/30
んねぞう

古いCompact Flashカード(2)

先の記事で、古いCompact Flashカードの事を書いた。そこで、海外出張に私物のハンドヘルドコンピュータを携行していたことを書いた

今は会社で一人一台ノートPCが配布され、高速ネットワーク通信で、どこからでもMailの送受信やOnline Meetingができる環境が整っている一方、情報セキュリティが厳しく自分で買ったITツールを使うにはハードルが 高い時代になったが、当時はノートPC等は存在せず、通信もダイヤルアップによるアナログで、今のような情報セキュリティなどと言う概念もなく、自分で買ったツールを自由に使って何も言われない時代だった

それはともかく、このカードは多分Windows CE搭載のNEC Mobile Gearに付けていたものだと思われる(私のPC歴を参照)。それまで使っていたHP LX200の後継として買ったものだったが、Windows CEと言うOSは、仕事でWindows(多分当時は98)を使っている身にとっては中途半端だったので、2年くらいで使わなくなった。カードの中に.pxlと言う拡張子のファイルがあったが 、これが何なのかすっかり忘れていて、Webで調べたらWindows CEに搭載されていたPocket Excelのファイルの拡張子だった。Excelでも読めるということだったので、現在のExcelで開こうとしたら思いきり蹴られた

他にないかと思って調べたらOpen officeのソフトが読めるとあったのでインストールして開いてみたが、開けはしたが文字化け状態でお手上げだ

こういうことがあるので、データを電子データで残す方法について、私はとても保守的な態度を取っている。例えば、文字はできるだけTextで残す。文字コードが変わっても、世の中には必ず変換できるツールが需要としてあるはずなので、それを使えば良い。画像はjpg、tiff等枯れたものが良い。特定のベンダに依存するファイル形式は如何に便利であろうといずれはバージョンアップによるサポート打ち切り、あるいはソフトや、場合によってはベンダ自身のDiscontinueのリスクが付き纏う

もっと言うと私はバックアップ手段としてのクラウドストレージは一切信用していない。いつ何時仕様変更があって容量の制限による強制削除、画像ファイルの解像度変更、さらには料金値上げ、サービス停止と言う憂き目に遭うかわからないからだ。また、私は写真データが多く、2TB程度のバックアップを保持しているが、仮にこれをGoogle Driveで行おうとすると、月々1,350円のコストがかかる。半年続ければそこそこのHDDが1台買えてしまう計算だ

以上のような理由で、私はバックアップは必ずローカルのHDDに落とすようにしている。まとめたものを下に描いておく

ただし、データ交換プラットフォーム(一時的にデータを置いて、別のプラットフォームからアクセスして取得し、その後は削除する)としてのクラウドは重宝している

仕事での個人の情報ツールの利用から始まって、昔のファイル形式で今はどこからもサポートされないファイル形式の話になり、突然クラウドのバックアップの話になってしまったが、要は本当に必要なもの永続的なものは何かを煎じ詰めて行くと、どうしても枯れた技術を使うのが確実であるということを言いたかった。ただし、この「枯れた」技術は時代の変化と共に変わって行くと思う。.pdf, .docなどは既に「枯れた」技術と言って良いかも知れない

2024/03/23
んねぞう

古いCompact Flashカード(1)

何かの必要があって、私のガラクタの中を探していたら、Copact Flashカードが出て来た。こんな古いカード何に使ってたっけと思った。幸いなことに私の今使っているガラクタカードリーダにCopmact Flashのスロットがあったので突っ込んで見た

中を覗いてみると1998年~2000年の間に行っていた、アメリカを始めとした海外出張の期間のメモが残っていた。大半は自分のアメリカ紀行で、その時の体調、見聞きしたこと、乗った飛行機や宿の事などだったが、その中にちょっとだけ仕事のMailやメモも残っていて、そういえばあの時、と一時感慨に耽った。残してある文面を見ると、その時は流石にばりばり仕事をして、文章の上ではてきぱきと部下に指示を出しているように見え、また、英語で書いたアメリカの会社の人達との打ち合わせのメモも残っていて、ほう、あの時もこんな英語書いてたんか、と我ながら驚いたりした

前に書いた覚えがあるが、一時私は会社のある事業部のIT部門の課長をしていた。この期間はそうなる直前の時期だと思われる。しきりに海外との仕事のITによるコラボレーションの調整をしていて、相手先に行って打ち合わせをした後、これまで対応していたメンバから、お前が来たおかげで相手の態度が和らいだということを聞かされたということが書いてあった。ああ、そういうこともあったなと、胸を一陣の爽やかな風が吹き抜け、そして今の自分との落差を思った

2024/03/22
んねぞう

CPUのベンチマークを見て思ったこと

これまで保有してきたパソコン類の性能比較のために、ベンチマークを取って見たので記録のために掲げる。プラットフォームがWindows、iOS, Chrome OS Flex, Raspberry pi OSと多岐に亘っているのだが、これらに共通して使えるベンチマークツールはOctane 2.0しか知らないので、これで試して見た

機種スコアブラウザ搭載メモリ
core i5 13600K100,651Chrome16GB
iPhone SE2 (Apple A13)52,714Safari3GB
iPad mini 5 (Apple A12)46,771Safari3GB
core i5 3570K43,205Chrome16GB
Celeron N402021,328Chrome4GB
Pentium E580021,047Chrome8GB
iPad 第5世代 (Apple A9)19,626Safari2GB
Pentium E580012,740Chrome2GB
Raspberry Pi 4B9,550Chromium4GB

このスコアが正確に何を意味しているのかは分からないが、少なくとも何かの指標にはなるであろうと思い、掲げる

順位を眺めると概ね感覚に沿っているが、多少意外に思ったのは、現在もブラウザおよびYouTube端末として不満なく使っている第5世代 iPadのスコアが19,626と、Cerelon N4020の21,328と大差なかったこと。i5 3570K辺りと同等だろうと何となく思っていた

Pentium E5800はメモリが2GBと8GBの2通り計測したが、スコアが12,740から21,047と大幅に増大し、メモリの効果が見て取れるのが興味深い

CPUの発売年にばらつきがあるので、何か見えて来ないかとCPUの性能と発売年の散布図を作って見た

しみじみとこの図を眺めていると、下のように3つのグループが私の目に浮かび上がって来た

この2つのグループで共通しているのは、2010年、2012年当時のパフォーマンスのCPUでも現在では全く使い物になっていないかと言うと、決してそうではなく、PentiumクラスのパフォーマンスのCPUはApple A9とかCerelon4020として、7~9年後タブレット端末とかローエンドのWindow ノートPCとして(流石にこれはきついが)デビューしているし、core i5 3570も7~8年後ミドルレンジのAppleA12、A13相当でタブレットやスマートフォンのCPUとして登場している。何が違うかと言うと、スペースや冷却に気を遣う必要のないところから、高密度化の要請、冷却の制限に対応できるように小型化、低発熱化の進化を遂げている所だ

CPUの進化と言うと緑グループのように性能の向上が第一に思い浮かび、良く正常進化と言われるものだろうが、性能は変わらなくても、それを発揮するための小型化と発熱制御の技術が進歩して、当時では考えられなかった使い方ができている。性能ではなく、このような面での進化もあるのだな、と改めて認識させられた

2024/03/05
んねぞう