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フィボナッチ数列と黄金比

フィボナッチ数列の隣り合った数の比が、黄金比に漸近するという話をYouTubeで言っていた。何のことかと言うと…

下記の数列を見て欲しい

0, 1, 1, 2, 3, 5, 8, 13, 21…

第一項はゼロ、第二項は1を初期値とする。第三項は、第一項のゼロと第二項の1の和とする。同様に、第4項は第二項の1と第三項の1の和とする。以下同文。このような数列をフィボナッチ数列と言う。一般項(漸化式)は下記のように書けるか

自然の諸現象にもその数列に従っているものが多くみられるという

私の場合は写真や絵画の構図の話の時によく聞くが、具体的には、1 : 1.6180339887…と言う比の形。右の1.6180339887…は無理数で、黄金数と言うらしい。数字の字面はともかく、この数字に何の意味があるかについては私の知っている範囲でもこんなところに書くスペースもないので、各自検索して欲しい。すごく深い森が待っていると思う

問題は、上のフィボナッチ数列の一つの項が、その前の項の何倍になっているかの比が、この黄金数にだんだん近づいて来る、というもの

まず一般に使われるであろう1 : 1.618の値に対して、フィボナッチ数列13項めの144で1.61797、14項めの233で1.61805となり、割合早く収束するのだな、と言うことがわかった

この収束の波形を見ていて、ひょっとして音響として再生してみたら、何か深遠な自然の真理を垣間見ることができるかも知れないと思い、最初の部分だけを抜き出して見た(1.6180…を0Vにシフトしてある。また、このままの電圧だとスピーカーが壊れるので、正規化が必要かも知れない)

だけど、苦労して再生して見ても、「プッ」とかいうしょぼい音で終わるような気がしたので、やめておく

関係ないが世の中には電圧波形を見ただけでどういう音がするかわかる能力を持った人がいてもおかしくないような気がする。うん、これは1980年、カール・ベームが振ったウィーン・フィルのベートーベンの5番だな、燻銀の響きがするぜよ、とかコメントする…

話を戻して我に還ると、このフィボナッチ数列って、Excelで簡単に作れて、比の計算も一気にやれるんじゃね?と言うことに今気が付いた

いやいや、この数列を定式化して、プログラミングすることに意味があるのだ、と言うことでソースコード

本日の教訓

ここに書いた一連の処理はExcelでOne thoughでできることに後で気が付いたが、アルゴリズムを考えてプログラムすることに意義があるのだという言い訳が見つかって良かった

2025/06/14
んねぞう

写真の成立性

今般、私が同人として所属する文芸同人誌「澪」の25号(2025年3月発売)に、ホラーSFフォトストーリーと銘打って、写真と文章をミックスした作品を投稿した。これは、ホラーSFとしてのテイストを出すために、白黒写真を、疑似的なソラリゼーション技法を使って階調を弄って作成した写真を何枚か使っている。私が所属している写真倶楽部の先生(「澪」の編集長と同一の方)から、ソラリゼーションと言う技法があるとお聞きしたことから思いついたものだ

この写真を、写真倶楽部の他のメンバにも、刺激を与える意味で、合評会で提出して見るようにと言われたので、何枚かをセレクトして、合評会に臨んだ。その場で私は、これらの写真は、やはり文章との対でないと、そのメッセージ性を失い、写真単体では成立しない、と言うことを強く感じた。一枚一枚の写真を前にして、貴方は何を感じて、何を撮って、何を言いたいのですかと聞かれたとすると、この写真だけを見た人に、自分でも説明できる気がしなかった

その次の回に、今度は、写真単体としての作品としてソラリゼーションを施したものを提出したが、この時は、私も、この写真の意図について自分なりに説明をすることができた。もちろん、この手の写真は万人に受け入れられるものではないにしろ、見て下さったメンバには、まあ、一応写真だよね、と言う受け止め方はして頂けたと思っている

ソラリゼーションを施したかどうかは別として、フォトエッセーの一部として使った写真を、単独写真として見た時の成立性(の欠落)が私にも明確に分かり、なるほどな、と言う気づきだった

2025/04/20
んねぞう

澪 25号 脱稿 – ホラーSFフォトストーリー

昨日、澪25号向けの原稿を編集担当の方へ提出した

私は、これまで、インド滞在中や津軽を旅した時のフォトエッセイを掲載させて頂いて来たが、今回は、編集長の先生より啓発を受け、ホラーSFフォトストーリーを作った。英語で書くと

Image1_20250131215601

です

ある理論物理学者が時空の齟齬を見つけて、実際にその場所に入り込んだ時に起こった物語だ。物語の建付けもかなり実験的だと思う

どうですか。怖くないですか。読みたくならないですか

そうですか…

2025/01/31
んねぞう

んねブラ本家の終了

私は自前のdomainを持ち、blogを複数運営しているが、その一つに写真blog「んねブラ」がある。これはカメラメーカの一つであるシグマ社のカメラを使って撮影した写真が掲載されている写真家 三井 光一氏の「シグブラ」を模倣して2016年7月に立ち上げたものである(関連記事はこちら)

しかし、このご本家の「シグブラ」は残念ながら2024年12月をもって終了となってしまった。12年間続いたシグブラの最終回の記事はこちら。初代DPシリーズを持って撮り歩いた写真で最後を飾られている。この写真を見て、フォビオンセンサーの素晴らしさを思い出した。氏が「三振かホームランか」と書かれているのを見て、いや、確かにそうだったよねと。光量が十分あるときには、錆びた金属の表面や木の幹の肌の質感描写には肌に粟を生じせしめるほどの凄さを感じる。その界隈では、こういう被写体を「フォビオン物件」と言っていた。一方、赤は色飽和しやすく、起動時や撮影後の写真データの書き込みには時間がかかるし、なかなか気軽に持ち出して、と言う訳には行かないカメラだが、久しぶりに持ち出して撮りたくなった

撮りたくなって撮った結果はこちら

DP2xにSIGMA製ビューファインダーVF21(41mm用)を付けて

2025/01/02
んねぞう

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作品展

私の所属する写真倶楽部の作品展が開催された。私は白黒写真4点を出展させて頂いた。作品はそのうち写真ブログ「んねブラ」の「展示室」に晒します

2024/11/10
んねぞう

10

11 2024

なんちゃってそらりぜーしょん

写真教室の先生から「ソラリゼーション(solarisation)」の技法の紹介を頂いた

名前は聞いていたが、調べると、ソラリゼーションとは、フィルムの現像・焼き付けの処理において、暗室の引き伸ばし機によって感光紙に露光した後に、意図的に光を与える操作を行うことによって、本来は白くなる部分が黒に色が反転する反応、および一次露光で多量の光を受けた黒い部分と少量の光を受けた白い部分が隣接する場合は、銀の生成物の反応速度や濃度によって白色と黒色の境界に明瞭な線(マッキー線 Mckee line)が現れる効果を言うのだそうだ
私は現在フィルム現像はやっていないので、本来のソラリゼーションはできないが、ソフトでトーンカーブをいじって疑似的なソラリゼーションをすることはできる。いくつか遊んでみた

Lightroomで、写真のトーンカーブを操作して効果を見る。加工後の写真と、Lightroomのトーンカーブのキャプチャをアップロードする

もともとの写真は階調に乏しい写真なのだが、トーンカーブを極端に操作することにより、不思議な効果が出る

歩いている人の姿がかき消されそうになっている

マッキー線が出た

さらにいじると輪郭線だけが抽出された。マン・レイみたいだ

トーンカーブの他にコントラスト、ハイライト、シャドウなどの操作によっても様々に様相が変わる。どこをどうすれば良いか挙動が掴めないが、使いようによっては面白い効果を狙えそうだ

2024/11/7
んねぞう

GR III最終形

これまでGR IIIの購入、ワイコンの購入とこれにまつわる問題について書いてきたが、ここにきてやっと、私がGRを使っている最終形態にたどり着くことができた

スナップ撮影の際はジャケットなど付けずに単体でハンドストラップのみでの運用とし、重撮影のときは上の写真のようにネックストラップを付けたジャケットに入れて首から下げるようにしている。しかし、Webで探してもGR IIIに合い、ネックストラップを付ける環を備えているジャケものがなかった。なので、仕方なくGRで使っていたジャケットを流用することとなった

幸いなことに、GR IIIになってからボディサイズが小さくなったので、左右に隙間が空いているが三脚固定用のネジで問題なく固定できている

何を言っているのか伝わらないと思うので、稚拙ながら自分がどのようなスタイルで使っているかを書いてみた

ネックストラップはスナップ撮影のときは不要なので、ボディジャケット側に付けたい。しかし今はそのようなジャケットが見つからず、みんなストラップ類はボディ側のストラップホールに通すようになっている。なので、GR用のボディジャケットを流用する。大分擦れて良い味を出している、と言えないこともない

GRパゴダIII。上から追加の電池、レンズアダプタ、ワイコン、本体

2024/03/02
んねぞう

02

03 2024

GR IIIのワイコンに保護フィルタを付けて見た

前使っていたGRのワイドコンバージョンレンズ(以後ワイコン)は、当初からフィルタを付ける前提で設計されておらず、付けるとケラレが発生するということを聞いていたので、そのまま裸で使って来ていた。しかし、大きなギョロ目の凸レンズがむき出しで、雨に濡れて水滴が付いた時はてきめんに映り込んでしまうので、その都度レンズペーパとかハンカチで拭かざるを得ないのだが、コーティングが剥がれないか気になっていた。また、撮影の間は頻繁に付け外しをし、仕舞ったポケットから手探りで引っ張り出す際に、指がレンズに触れて指紋が付いてしまうことがあり、これもまた拭き取りの際に気になっていた

この度GR IIIではどうなのかWebで調べて見たが、やはりメーカからは、ワイコンを付けるような設計にはしていないということを言われたという記事があった。また、無理に付けるとフィルタのガラスとレンズが接触する恐れもあるらしい

試してみた

1.サイズ

そもそも前玉側のフィルタ径がメーカから公表されていないので、(*1)手持ちのレンズに付いているフィルタを片端から試してみたところ、72mmの保護フィルターが合った

(*1)後日確認したら、RICOHのFAQに記載があった(https://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/support/faq/gr-3/)。さらに、ワイコン付属のキャップの裏に”Φ72″の刻印があった

装着した状態

2.ケラレ

    一番気になるケラレについて、① フィルタなし、② フィルタ装着、③ フィルタをねじ込まず、辛うじてワイコン前面に引っかかっている状態(枠がもっと太い場合を模擬)、④ 手でワイコンを持って、3mm程左にずらしてわざとケラレ状態にしたものの4枚の写真を撮影し、比較する

    撮影はすべてISO1600、 F7.1、 1/25秒、三脚使用。PCの画面に真っ白の図形を表示させ、モニタの画面中央がカメラのファインダー画面右上端になるようにして撮影

    ① フィルタなし
    ② フィルタ装着
    ③ フィルタ浮かし状態
    ④ 手でフィルタを持って、ケラレ模擬

    ①のフィルタなしと②のフィルタありの2枚とも右上が暗くなっているのは共通なので、これはもともとの周辺光量落ち又は液晶の視野角によるものだと理解できるが、私の目にはそれ以上の違いが分からない。④で模擬的に極端なケラレを再現しているのだが、そのような像の出方は認められず、場合によっては今回使っている以上の太枠のフィルタも許容できるかも知れない。

    3. レンズとの接触

    Webで、レンズの表面にティシューを乗せ、その上からフィルタを徐々にねじ込んで行ってその様子でフィルターガラスとレンズの間隙を観察する方法が書いてあったので、試して見た

    ワイコンを上向きに置き、レンズより小さめに切ったティシューを乗せ、その上からフィルタを少しずつねじ込んで行き、ティシューが挟まれていないかを観察した。最初はフィルタのガラスとの摩擦でティシューが一緒に回転して、おしまいは回転が止まったが、特にティシューが押しつぶされている様子もなく、フィルタが固定できた。装着しているときも、Newton’s ringの発生も認められない(*2)ので総体的に問題なしかと

    (*2) なぜ突然Newton’s ringを持ち出したかと言うと、確かこの現象はレンズとガラスの距離が光の波長のオーダーで近接しているときに発生するものなので、これが発生していないということは、今回の隙間はそれを余裕で超えているのではないかと言う期待が持てたため

    4. 結論

    – GW4の前玉のフィルタ径は72mmだった
    – 手持ちの、細枠でもない保護フィルタではケラレはなかった
    – レンズ面との接触も問題なかった

    なので、72mmのフィルタを買って様子を見ることにする

    以上、自分の記録と、他の人達に何かの参考になることもあるかと思い記事にしたが、実行されるときは自己責任でどぞ

    2024/02/25
    んねぞう

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    02 2024

    GR IIIにワイコンを付けた

    前使っていたGRが壊れた際に、後継のGR IIIを買うと、その後ワイコン等をそろえたりするには私の財力が足らないために断念するようなことを書いた。それが、他に良い(私の使い方に合う)カメラがなく、仕方なくGR IIIを購入して、さすがその写りの進化に感心している間に、何故かワイコンが私の目の前にある。事の推移に自分でも戸惑っているが、とりあえずこの状況を記録しておく。

    ワイコンのパッケージの中身。相変わらずゴム製のフードがついているが、わたしはこの手触り、臭いが生理的に合わないので、多分これは使わず仕舞になるだろう

    ワイコン本体。持ってみたところ、GR用のものより重い感じがした。実際に本体に着けて見ても、全体として重く、大きくなっている。

    忘れてはならないのがアダプター。今回はワイコン装着を検知する接点が見える

    実際にワイコンを付けて見たところ。実際にどれだけ重くなったのか、Webで調べようとしたが、古いワイコンのデータがみえなくなっていたので、自宅の台所にあったキッチン量りで実際に量って見た

    機種本体重量(*)ワイコン重量(**)合計(g)
    GR245210454
    GR III252298550
    (*) 電池、SDカード、ストラップ込み) (**)キャップ込み

    実際、ワイコンだけで90g近くも重くなっている。以下にGR、GR IIIそれぞれのワイコン付きの写真を示す

    やはり明らかにワイコンの存在感が大きくなり、持ってみてもフロントヘビーの感覚だが、だからと言って持ち運べないレベルではないので、早晩慣れるだろう

    2024/02/11
    んねぞう

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    02 2024

    GRとGR III 写りの比較

    前の記事でRICOH GRとGR IIIの仕様と使用上について感じることを述べたので、ここでは写真写りについて、現時点で感じた違いについて記す。以下に掲げた写真はすべてRawで撮影、Jpeg(1200 x 800pixel)に書き出したもの

    発色

    左:GR 右:GRIII (以下同様) ISO200 F7.1, 1/250s 絞り優先(共通)

    左:GR ISO200 F7.1, 1/250s 右:GRIII ISO200 F7.1, 1/320s 絞り優先(共通)

    見てわかるように赤の発色に深みがある。GRで人肌を撮った時にCanonと比べて肌の色がくすんでしまっていて、色温度とかカラーバランスをいじって何とかごまかしていたのだが、これが何か良い方向に作用してくれると良いと期待している。関係ないがSIGMAのFoveonでこの場面を撮ったら、多分下段の写真の灯篭の柱の一番日の当たっている面は飽和して白くなっていたかも知れない

    ゴースト

    左:GR ISO200 F7.1, 1/350s(トリミング) 右:GRIII ISO200 F7.1, 1/125s(トリミング) 絞り優先(共通)

    左:GR ISO200 F7.1, 1/2000s(トリミング) 右:GRIII ISO200 F7.1, 1/1600s(共通) 絞り優先(共通)

    一番驚いたのがゴーストが良く抑えられていること。特に下の写真でわかると思う。別に私はゴーストそのものは意に介さず、このカメラに限らず逆光の強さを強調する効果として積極的に使ってきた(気にしないとも言うかも知れない)ので、これが私の写真に大きな影響があるとは思っていないが、素直に素晴らしいと思う

    2024/01/20
    んねぞう

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    01 2024