パソコンで文書を作成する時のTabキーの挙動について

昨日、私の所属する文芸同人誌の合評会の席上、段落と字下げ(インデント)のことについて問題提起を頂き、考えているところを書いた

暇なので、インデントの時に使うTabキーの挙動について述べたい

まずは下の表を参照願いたい。一般の文字”a”や空白にはユニークな文字コードが割り当てられており、それぞれ決められた文字を画面上に表示するように決められている。それに対して、Tabキーは制御コードとして、これをどのように扱うかはシステムである程度決められるようになっている。例えば、Tabの①のケースでは、作成するソフトでは、TabはTabの制御コードのままで、画面上の表示は半角空白4つ分と定義することができる。一方、受け側でもTabキーをどう扱うかを決めることができ、Tabコードとして扱うのか、空白に置き換えて使うか、その表示をどうするかを決めることができる

具体例を下に示す。左の青い画面は、私が普段使っているText editorで、Tabは空白4文字分の間隔を空けると設定している(最初の2行は桁数を表す目印です)。3行目にTabを置いて、次いで小文字の”a”を置いたもの。半角スペース4つ分の間隔の後に”a”と表示されているのがわかる。”>”という記号はこのエディタがTab記号を表示するのに使っている記号である。ここで注意して欲しいのは、実際に空白を4つ置いているのではなく、空白4つ分の空白を空けるように表示を制御していると言うこと

これをコピーして、Microsoft Wordに張り付けて見たのが右の図。WordではTabを表す記号に”→”が使われている。これでWordはTabキーはTabとして認識していることが わかるが、”a”の位置に注目して欲しい。Text editorでは”a”が5桁目にあるのに対してWordでは4桁目にあるので、送り元のText editorとは違い、Tabには半角空白3つ分しか取られていないことになる。これでわかるように、Tabの扱いは送り手、受け手で可変なので、必ずしも送り手の意図通りには表示されない

Tabは昔タイプライターで表の形式で文書を作成するときに、一定の間隔をあけてキャリッジ(パソコンで言うカーソル)を移動するために設けられた。Tabは多分(駄洒落分かって下さいまたは堪忍して下さい)”Table”から来た名前だと思うが、それが、英文のインデントを入れるのにも使われてきたという経緯がある。だから、字下げにTabを使うのは正当だと思うが、コンピュータで使う場合は再現性が担保できないことが分かっているので使いたくない。それでは空白を使えば良いかと言うと、私はそういうやり方はスマートではないので好きではない。よってインデントは、作品のようなこだわって作成する文書には使いたくないのだ

補足だが、ここではパソコンで原稿を作成して、他者に送って編集してもらうときのことを言っており、予めTabの取り扱いについてルールが決めてある場合や、自分で印刷まで行って、印刷上の体裁までコントロールできるような場合は上の限りではない

2023/05/01

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