中華アンプ

iPad、iPhoneでYoutubeのバロック音楽の映像を、実家に帰省した時に居間の液晶テレビで見ているが、スピーカーの音が酷くて何とかならないかと考えていた。私は特に鋭敏な耳を持っている訳ではなく、また大音量で聴いている訳でもないのだが、一瞬音圧の高いパッセージになるとスピーカーの振動体と筐体がびびるるような衝撃音がして、びっくりして興ざめする。天下のPanasonicの液晶テレビのスピーカーがそんなものとは思いたくないが、なんとかならないかと考えているうちに、学生時代に買ったビクターのバスレフ型のフロアスピーカーがあったことを思い出した。アンプがあればテレビと繋いでゆとりのある音で聴けると思い、アンプを探したが既に処分してしまったらしく、学生時代に合わせて買ったヤマハのターンテーブル、トリオのチューナー、プリメインアンプ、AIWAのカセットデッキはなくなっていた。
昭和50年代に学生だった諸兄は身に覚えがあるかと思うが、その当時はオーディオブームで、ビクター、ヤマハ、トリオ、サンスイ、パイオニア、オンキョー、デンオン(当時はデノンではなく)、Aulex、Lo-D、Diatone、Otto、Technics、AIWA、ナカミチ等、今思い出すだけでもこれだけのメーカーが、外国製でも多くのメーカーが鎬を削って製品を発売していて、年に一回、私の通っていた地方の大学ではオーディオフェアと称して講堂を使って2~3日、メーカが揃って展示、実演販売などを行っていた。学生たちもそのオーディオに魅せられて欲しいものを買うためにアルバイトに精を出したものだ。そして、音を良くすためにはレンガやコンクリートブロックを置いて、その上にスピーカーを設置すると良いとか、ターンテーブルの回転数の同期には、50/60Hzで点滅する光源と同期するように、ターンテーブルに刻まれた縞模様が静止したように見える時がそれだ、とかいろいろアナログなテクニックがあった。当時のターンテーブルは、ワウフラッターを吸収するために、競って重くしていたものだが、今再び脚光を浴びているものはどのようになっているだろうか。そう言えば、ボリュームのつまみ等は、アルミ削り出しで高級感を出していたが、オイルショック後は姿を消した。今はどうなんだろう。日本の産業競争力の栄枯盛衰を目の当たりにする思いだ。

話が逸れた。これからが本題なのだが、長くなりそうなのでここで一旦切る。続きはこちら↓を押してください

アンプがないので、新しく買うのにいくらくらいからあるのか調べて見た。流石にテレビの音声出力は、ピンジャック位あるだろうと思って見たら、今日日光出力しかないんだと。 それ以外はヘッドホン出力から拾うしかないようだ。年に何回も帰省しないのに昔と同じ金額を支出することはできないのだが、Amazon等で中国製の安いアンプ、所謂中華アンプと言うものが売られていることを知った。アナログ入力をA-D変換して、オペアンプでデジタル的に増幅した後D-A変換してスピーカにつなげるという構成のもので、D級アンプというものらしい。価格が信じられない位安く、3000円も出せばACアダプタ付きの物が買える。音質もそこそこ良いらしいが、問題は品質のばらつきのようだ。ユーザーレビューを見ていると、オペアンプが中古品から抜き取って再利用されているものだったり、音が出なかったり、出力の左右が逆だったり、はずれを引くリスクはかなりのものらしい。価格が安い、音質はそれなり、品質のばらつきが激しい、これらを承知のうえで買って、当たればコストパフォーマンス最高(2000円、3000円にしてみればこの音は価格以上)、これが中華アンプというもののようだ。

コストを考えて、2150円のLepy社製LP-268と言うものを買って見た。3000円位するLP-2024A+と言うモデルが現在のベストセラーらしいが、まあ20W+20Wの出力があればこちらでも余裕であろう、また外れてもこれくらいの金額ならば諦めがつくし、 また当のスピーカーも経年劣化で駄目になっているかも知れないし、と思い、注文した。

到着した製品は下記。

アルミ製の筐体の裾の取り付けねじ用の切欠きのバリで手を 切りそうだ。そう言えば筐体を置いた棚とかスピーカーを傷つけないようにと言う意味か、四角い布も付属している。Trebleのトーンコントロールのプラスチック製のつまみの鍔がフロントパネルと接触して回すとしゃりしゃり音がする。PSEマーク付きの12V 5AのACアダプターが付属。

入力はステレオのピンジャックとステレオのミニジャック。

箱に記載されているSPEC

比較のために、DENON PMA-50SPのSPECを記す。

LP-268 PMA-50SP
出力 NA 25W + 25W (8Ω)
周波数特性 20Hz – 20KHz  NA
全高調波歪率 0.4%未満 0.004%
SN比 70dB超 110dB

早速自宅にあるOnkyoのブックシェルフスピーカーに繋げて音を出して見た。スイッチを入れるとポップノイズ。ボリュームの位置に比例して音が大きくなるので、電源投入時はスピーカー保護のために、ボリュームは最低にしておく必要がある。

しかし、音そのものは文句ない。OnkyoのくたびれたWavio(PCオーディオ用のステーション)よりも低域と高域が広がっているような気もする。もう少し聞き込んでみたい。発熱もない。しばらくエージングして見る。しかし、無人で稼働させるのは発火が心配なので、自分が在宅している間に限ろうと思う。

一つ良からぬことを考えた。普段音楽を聴いている自宅用には、へたってきたOnkyo Wavioの後継として、このような中華アンプではなく、しっかりした品質の、例えばDENON PMA-50を代替として考えていたが、出費を抑える方策として、Wavioのヘッドホン出力をインプットにして、中華アンプを挟めば4万円以上の節約になるな、と。

しばらく使って見て気付いたこと。

  • フロントパネルに”SUPER BASS”と言う押しボタンがあるが、これを押しても音に何も変化がない。脇にLEDがあるが、点灯しない。さすが中華品質。【後記】脇のLEDは、ネットの書き込みによるとSuper Bassのインジケータではなく、音量があるレベルを超えた際に点灯するもののようだ。
  • BASSの調整つまみが中央の状態だと、中低音が強調気味で、チェロとかコントラバスのパートが締まりのないブーミーな感じだ。聴き疲れがするので、少し絞り気味の方が良い。BASS, TREBLEどちらも効きが良いが、やりすぎると人工的に無理矢理強調しました、抑えましたと言う感じになる。流石デジタルと言うべきか。それともアナログ回路の品質のなせる業か。そこまでチューニングするコストはかけられないと言うことか。まあ、これは自分で調整できるようにダイヤルを付けたんだから、自分で好みに調整しなさいよ、と言うことだな。
  • 今日(7/29)パソコンでYoutubeでバロックアンサンブルを見ていたら、ステージ下手にいるチェンバロが左から、上手側のバイオリンが右から聞こえているのに気が付いた。ネットで左右逆のことがあるということは聞いていたが、自分のもそうだったとは、今初めて認識した。早速ピンジャックのコードに付け替え、左右逆につなげて解決。何故今まで気づかなかったかと言うと、パソコンではラジオのストリーミングでチェンバロとか、チェロソナタとか、そういうものしか聴いていなかったから、いや、モノラル音声だったからかも知れない(シドロモドロ)

 

2017/07/16

んねぞう

 

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