澪 対面合評会
9月に私の所属する文芸同人誌「澪」第20号が発刊された。
これに伴い、11月に有志による対面合評会が開催された。以下にその場で頂いた指摘、アドバイスを、今後のための覚書として記しておく。因みに私は今回からインド滞在中に出会った人々を題材に”People I met in India”というシリーズのフォトエッセーを始めた。
- 写真と文体の調和あるいはコントラストについて
前回までの津軽のフォトエッセーについては、割合尖った文章だったのに今回は文章のタッチががらりと変わったとのご指摘を頂いた。これは、同じ母語/文化を共有する日本の中での津軽という地域の文化の差異という視点から考察して来た中で、はある程度踏み込んだ考察、描写が許されて来た。インドについては、生まれてからのこのような基盤がなく、出張で足繁く通い、それなりに滞在期間は長かったものの基本的には私はインドの表層を撫ぜたTarvellorに過ぎない訳で、津軽のような私なりの理解ができていない状態では、勢い記述が物足りないものになりがちだったからだ。それを踏まえたうえで、改めて調べたり、自分の想像を加えた上で、踏み込んだ記述にして行きたいと思う。
- この写真でなぜ彼等・彼女等が中間層の子女であることがわかるのか、なぜこの場所にそうでない層の若者が来ないのか、この説明があればもっと厚みが出た
これはご指摘いただくまで全く思いの至らなかった点だった。これまでのインドでの生活の中で、無意識に、その場所と、そこにいる人たちのいでたち、雰囲気、態度等に対するフィルターがかかっていて、読者がどう思って読むかという点からの考慮が欠落していた点であり、ご指摘頂き、目が覚める思いだった。さらに、これらの理由について、私はこう想像するということでも良いから書けば良いということも、貴重なアドバイスだった。
- 今後インドのフォトエッセーにおいて、中間層の姿はなく、専ら路地裏の人達が登場することになるという私の説明だったが、それではなぜ私が(有名な観光地とかではなく)路地裏を好んで取り上げようとするのかについて触れたほうが良い
確かに、これは私の今後のフォトエッセー、というかこれまでの全体の私の態度の核心をなす部分であると思う。
次回、この点に漏れがないよう、ここに書き留めておく。
その他ページレイアウト(写真と文章の間隔、段落の最初の行のインデント)で、本として仕上げるための作法についても示唆を頂いた
2022/11/03
んねぞう