深浦-Feb.2020

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沿線の景色が素晴らしいことで有名な五能線の深浦で下車して海岸を歩いた。五能線沿線では6年前の3月に一度艫作、鰺ヶ沢を歩き、その時強烈な印象を受けた。この時の写真は、思いがいろいろ籠っていていまだに整理できていない。今回は真冬の日本海、人がいないことと、どのような景色を見せてくれるのか楽しみにして五所川原で普通列車に乗り込んだ。これはその時の写真

期待通りがらがらの列車を深浦駅で降りる。途中車両の不具合で20分近く延着。しかし急ぐ旅ではないので、気にしない 。鉛色の空が迎えてくれる
駅を降りて駅前からほど近い大岩海岸。駅前の国道を歩く。誰も歩いておらず、覚悟はしていたが、 冷たい風が正面から吹きつけて、太腿の前面から急速に体温が奪われて筋肉が強張っていくのがわかる。路面も凍結している。しかし以前の山形・新潟県境の国道のように解けた雪が泥水となってひっきりなしに通る車ではね上げられて、とても歩けたものではなかった時のことを考えると、ずっと良い。寒さと雪を期待してきたのだから。着ていた防寒具のフードを目深にかぶり、コードを締める
海岸の遊歩道を歩くと、韓国から来たという男性二人連れとすれ違う。頼まれてスマートフォンで写真を撮って上げる。今日は青森に泊まり、翌日は熱海に向かうと言う
岩に上るにつれますます風にまともにあおられて倒れそうになりながら、また打ち寄せる波しぶきにカメラも潮だらけになりつつも望遠レンズで荒れた海と、その先の雪に煙る海岸線に沿った道路を構図に入れる。手前側は日が照り、奥は雪が降っているという、あまり見られない光景
凍結した道路の端を、新雪を薄く被った場所を選びながら北に歩く。 天候の変化が目まぐるしく、10分毎に晴れ→雪→吹雪のサイクルが繰り返される。そのたびに新しい景色が広がるので、飽きることがない。途中、鉄道ファンの間では有名であろうと思われるスポットにて
行合崎キャンプ場。以前艫作の海岸を歩いた時と同様、変化のある海岸と、昨年佐渡で見たと同様のコバルトブルーの海と岩の色
また雪が降りだしてきた
カモメかウミネコか、ここからは区別がつかないが、1羽で悠々と海上を遊弋している。自由と、その反面寂しさを感じる
降りしきる雪がフィルターのようになって、景色が幻想的になる。この後雲が増えて本降りになる。これを潮に深浦の駅に戻ることにする。これまでに会った人は、先の韓国人二人と、行合崎で三脚を立てて写真を撮っていたご同輩の、計3人

駅に着いてみると、帰りの普通列車も大雪のために30分以上延着。おかけで駅前でラーメンを食べる時間ができた。乗車してからも、五所川原に着くまでの間に、遅れたせいで途中の駅で予定外の列車交換の待ち合わせのため、40分以上遅れたが、こちらは急ぐ旅ではなし、問題ない。過酷な天候の中、老体に鞭打って走ってくれる車両にご苦労様と言いたい 。

今回も独り、思う存分景色に浸ることができた

2020/02/09
んねぞう