アイルランドは元来カトリックの国であり、それがためにイギリスからひどい蹂躙を受けた歴史があるが、それはそれとして、アイルランドのいたるところに修道院や、修道士の祈禱所の遺構がある。イニシュモア島にあるこのTeampall Bhenain(ベアナンの祈禱所)は、5世紀頃の修道士ベアナンが祈禱所として使っていたと言われる場所である。ロケーションは、海に囲まれた島(この世と彼岸の境界と象徴的に理解されていた)の、高所の荒れ地と言う、俗世間から隔絶した環境で自分に厳しい修行を課すことにより神に近づくための好適地ということだったらしい。因みにこの修道士ベアナンはアイルランドにカトリックをもたらした聖パトリックの弟子で、後にアイルランド全土の司教となったとのことである
ここもまた、これまで訪れた他の場所と同様、途中で自転車を乗り捨てて、家畜の柵の石垣の欠けたところを辿りつつ丘を登る。それは良いが、帰り道は何も道標がないために完全に迷子になり、警戒する牛の傍らを恐る恐る刺激しないように通り過ぎたりして何とか道を探し出す等、苦労した
見ての通り、祈禱所は荒涼としたカルスト台地に建つ石造りの粗末な建物であり、周囲には木の一本も生えていない。台地の下には、わずかに民家が見えるのが、一時の気の安らぎとなるか。このような環境で、村人の最低限のサポートを受けながら修行を続けたのだろう
2025/11
んねぞう








