A path to Dungeon-Apr. 2023

ある休日の朝、ビジネスパークなる領域に足を踏み入れた。その中庭にある構造物の中を歩いて撮ったのが上の写真である。上は庭園風になっていて、その下が回廊のような形式になっており、多少中世ヨーロッパの城郭の中を歩いている不思議な感じを受けるのだが、少し目を移すと無機的なビル群の鉄骨、ガラス等が否応なく目に入って来る。この一角に緑の生垣や池などが設えられていたりするが、仕事に疲れたサラリーマンが一時癒しを受けて、さらなる生産性の向上を期待してのことであろう。このコンセプトはおおよそ次のような言葉で表されるであろう。即ち、

「オフィスビル群の中にあって、小高い丘のような中に、緑豊かな植栽、その下に配置された謎めいた空間は、その中心に配置された、静かに波打つ小池に揺蕩う漣とともに、訪れる人々の心を癒すことでしょう。また、ところどころに配置されたベンチ、階段等の自由度の高いアレンジにより、アーティスティックなアトモスフィアと相俟ってイマジネーションを刺激し、コミュニケーション、コラボレーションが促進され、より創造性、生産性のレベルを引き上げることができるでしょう」

その下心が見えて、この風景の浅薄さが一層際立たせられる。初めの4枚はそのまやかしの姿を思いきり露出をアンダーにして表現した。逆に、最後の1枚は赤、緑、青の彩度を思いきり上げて、この場所のうそ寒さを表現しようと思った

2023/04/22
んねぞう