東京の下町と言えば谷根千が有名だが、もっと別のところも歩いてみたいと思い、地下鉄東西線に乗って、南砂町で降りて見た。明治通りを北上して裏通りに迷い込んで見たら、そこは下町天国だった。

手当たり次第横道に入って歩いたため、どこで撮った写真なのかほとんど記憶がない。とりあえず写真を並べる。

銭湯の壁

公団住宅の自転車置き場。青いトタンに影を落とす夕日。

こうして初めての街を歩いて見ると、下町の撮り方は自分にとって難しいと感じる。谷根千のような、下町であることをある意味「売り」としているような地域とは違い、ここでは生(なま)の生活があるわけで、そこに一眼レフやコンデジを持った、縁もゆかりもない、必要もないよそ者がカメラを構えて写真を撮るということが憚られる。従って斯様な散漫な写真しか撮れない。無遠慮にカメラを向けてトラブルになって、挙句の果てに写真が嫌になってしまう、と言うことを私は一番恐れる。

2014/03

んねぞう