雨降りのある日、己の抱える懊悩に居ても立ってもおられず、人気のない、里山を歩いた
平日の雨の夕暮れ、文字通り誰もいない里山を、誰に気兼ねするでもなく、とぼとぼ、ぶらぶらと歩く
そんな過ごし方が、近頃の私の常となってしまっている
傘を差しながら、時には今来た道をふと戻って見たり
立ち止まって、雨に濡れて佇む水鳥たちを飽かず眺めていたり
雨に濡れる蒲公英を自分に擬えて暫し蹲ったり
帰り際に犬の散歩中の少女を見かけた。雨降りなのに傘もささずに歩いて行く。雨に霞む先の景色に溶け込んで行きそうに思えた
2022/04/18
んねぞう