夕暮れの寺社と影-Oct.2021

すっかり日が短くなった晴れた晩秋の夕方、よく訪ねる近くのお寺と神社を巡って、沈みゆく西日の落とす影に浸って来た

ここは日蓮宗のお寺、高祖日蓮上人没後740年遠忌の柱が建てられていた

いつも綺麗に掃き清められている庭の一角の水屋の̪紙垂が、緩やかな風に揺らめき、柔らかな西日に照らされている、いつもの光景

社の正面に差し込む西日が複雑な明暗を形作っている

木の葉が漆喰の壁に落とす影、軒先に吊るされた干し柿や、冬に備えて干されている大根が西日に照らされて障子に落とす影、そのようなものに、私は恍惚となる。今となっては見られない私の原風景、その残渣を求めて、いつも彷徨っているようだ

2021/10/23
んねぞう