県境の冬 – Dec. 2018

2018年も押し詰まった大晦日、JR米坂線に乗って新潟・山形の県境の駅で降り立った。本当はしばらく国道沿いに歩いて、荒川沿いの部落に降りて行きたかったのだが、国道の歩道は既に雪で覆われて車道を歩く他はなく、その車道を車が容赦なく水しぶきを立てて走っている様を見て、国道を歩くのは諦め、反対方向の部落に向かって歩き出す。

誰一人として出会うこともなく旧道を歩く。雪が降り始め、雹も降って来た。カメラを庇いつつ歩き、立ち止まり、写真を撮る

採石場跡の頂きは雲に覆われて見えない。所々湧水が音を立てて流れ出ているのがわかる
立ち枯れた木
花も、木も、そして神社の狛犬も雪が積もるのに任せて佇んでいる
冬の山国の天気は変わりやすい
少し陽が差してきて、あたりはほのかに暖かい光を反射しはじめる
旧道に人影なし

一旦を駅を降りてから、次の帰りの列車が来るまで2時間半。その間とぼとぼと歩き、立ち止まり、写真を撮り、或いは進み、或いは戻りして時間を過ごす。一体自分は大晦日だというのに何をしているんだろうと、多少の罪悪感を覚えながら

2018/12/31
んねぞう