このところインド通いで、乾燥した、埃っぽい景色の中ばかりで暮らしていたせいで、日本の潤いのある景色に飢えていた。梅雨空の下、東京の小金井にある江戸東京たてもの園の中を彷徨い、渇きを潤した。やっぱり日本の風景は良い。
小金井公園の中を通って園の入り口に進む。途中の木の幹に生えている苔。空気も緑に染まっているようだ
入り口を入った先のベンチと紫陽花。
高橋是清邸の縁側のガラス戸に映る新緑
西川家別邸から庭園を望む。以前立っていた灯篭は震災で倒れていた
茶室の蹲への飛び石
豪農だった天明家の庭
建築家 前川國男邸
三井八郎衛門邸のしっとりと濡れた石畳と庭
葉に珠のようになって留まっている雨滴。大きくなって、耐えられずにころころと滑るように落ちて行く
在園中、ずっと程よい雨が降っていて、屋外でも、屋内からも、滴るような緑を堪能できた。園の係の方から今日は雨降りで残念ですねと声をかけられたが、いやいやそんなことはありません、雨降りだからこそ良いのですとか訳の分からない受け答えをして、相手を困惑させてしまった。
木の幹についている苔、木々の葉から零れ落ちる雨滴、濡れそぼる石畳、屋内から、ガラス戸の桟越しに見る緑…すべてが素晴らしい。
んねぞう