奥多摩 – Oct. 2018

奥多摩は、五日市線を使って檜原村へはしばしば行くが、青梅線の終点の奥多摩へは一度も行っていなかった。3連休の中日に早起きをして列車を乗り継ぎ、10時前に奥多摩駅に降り立った。目的地は当然、人のいない所。だが、青梅線の電車に乗り込んだ所で、乗客、特に登山のいでたちをした人が大勢おり、満員電車のようになっているのを見て、この先どうなるのか不安に駆られる。
幸い(?)な事に、登山客は終点の一つ手前のの御岳駅で降り、終着駅までの10分程の間は長閑な電車旅であった。
しかし、奥多摩駅を出ると、そこはまるで観光地のような様相を呈しており(そりゃ観光地だわな)、駅前の観光案内所も盛況だ。気を取り直して私も案内所に入り、列に並び、奥多摩むかし道の地図をもらい、分かりやすく説明をして頂いた。

今日は人が多い

ので、道に迷う心配はないですよ、との言葉にショックを受けながら、地図に従い歩き出す。
大通りを歩いていると、インド人のグループに声をかけられた。大通りから河原に降りる道を聞かれたので、地図を見ながら教えてあげる。日本語で話しかけられたのだが、いつもの反射でどうしても英語で答えてしまう。インド人に日本語で聞かれて、日本人が英語で答えるという珍妙な会話をして別れる。

事前のサーベイでは、鉄道の廃線跡の遺構が見られるということが書いてあったが、むかし道に入って程なく遭遇することができた。

むかし道と線路が斜めに交差する形になっていて、トンネルは背後にあるので、意識していなければ知らずに通りすぎてしまう。トンネルの中を歩く。照明はなく、誰も歩いておらず、カーブしているので先がどうなっているのかわからない。おまけに、静かなトンネルの天井からぽたぽたと水が肩、首筋に滴り落ちてくる。ぞくぞくする。
トンネルの出口まで行って、入り口付近まで引き返すと、むかし道と線路の交差点で、20人くらいの団体があちらを向いて、なにやらガイドの人の説明を聞いているようだった。こちらに気がつくかと思ってしばらくその場に立っていたが、一行は気がつく様子もなく、先に進んで行った。

しょっぱなから好物の遺構に遭遇出来たことに気を良くして歩く。途中、いつもどこを歩いているのかさっぱりわからない私の居場所を家族に知らせる意味で、iPhoneで写真を撮り、送る。「ナウ、オクトバー。オクターマ、ナウ」

ずんずん歩いて行くと、また鉄道の遺構。後で知ったことだが、この先の奥多摩湖を堰き止めているのは小河内(おごうち)ダム、このダムの建設資材を運ぶために敷設されたのが小河内線で、これはその遺構とのこだ。以降、この小河内線と付かず離れずのぶらぶらになる。

ここにも遺構

白髭神社。覆い被さるような岩

同じく白髭神社の鳥居。参拝した後、本殿側から。光線の加減か、何となく霊的なものを感じる

いかにも鄙びた旧街道沿いの風景


これまで、歩き始めて程なく遺構に遭遇し、さしたる急坂もなく、地図に書いてあるスケールと実際の距離感覚が掴めたため、気を良くして鼻歌交じりで気楽に楽しみながら歩いていると、突然急な山道になり鼻歌はどこへやら、歩いている人なんかいないし、道がこれで良いのか不安になるしで、しばらくは必死で歩く。途中、浅間神社で缶コーヒーを飲み、休憩させて頂いた。風が良く通り、人もおらず、とても気持ちが良かった。

これは浅間神社の少し下からの風景

青目立不動尊を過ぎ、水根不動尊に参拝して先に進んで見たが、前方にご覧のような倒木が重なっていたので、ここで引き返し、奥多摩湖方面に降りて行く。

天気に恵まれ、人も言われた程多くなく、それ程汗もかかずに良いぶらぶらが出来たことに感謝しつつ、奥多摩湖からの帰りのバスに乗った。さあ、目指すは反省会(独り)の会場、立川だ

2018/10/07
んねぞう

【付記】
本日のウォーキングの距離 17.4km, 歩数 26,663歩, 登った階数 100階。
iPhoneによる。歩数と登った階数は2018年2月の竜飛でのぶらぶらを上回った