JR東日本 鶴見線 国道駅近辺を歩く。この駅は非常にレトロなことで有名である。ガード下の風景は、まるで昭和初期にタイムスリップしたかのような雰囲気である。
JR鶴見駅から、商店街や、東海道、京浜東北線と京浜急行線が並行して走る傍を歩くと、国道15号線の向かい側に国道駅がぽっかりと黒い穴を空けて待っていた。
ガード下、営業しているのかどうかわからない不動産屋の看板
地元の人だろう、 メリヤスのシャツで自転車を漕いで通って行った
駅を抜け、鶴見川に向けて、線路に沿って歩く。ガード下に色々建物があるのだが、この由来は何なのだろう
鶴見川、河口近く。係留されているものの中に、また何か用途のわからないものがある。謎だ
岸辺を行ったり来たり、腰掛けてぼうっとしたりして、来た道を戻る。駅舎近くの、ホームを支える鉄骨。駅舎のレトロな窓が覗いている
再びガード下。電線のターミナルボックスのカバーが外れたままの照明。何だか空襲警報が鳴り出しそうな雰囲気だ
柱と柱の間はアーチで結ばれているが、コンクリートの肌には型枠の板1枚1枚の跡が残っている。思い切りレトロかつ廃墟的な雰囲だ。聞くところによると第二次世界大戦の際に受けた機銃掃射の弾痕も残っているそうだ。私にとってぞくぞくする時間、空間だった。
先程の、駅の「穴」から眩しい外界に出て、車がひっきりなしに行き交う国道に向き合うと、これまでの光景が夢のように感じられる。この感覚は、苟も(いやしくも)首都圏の横浜の中央部に近い場所であるという事実、実際に人が暮らしていて、勤め帰りの人がこのガード下の焼き鳥屋で一杯やっている日常が流れていると言う事実とのコントラストによって増幅される
国道の駅から、ちょうど来そうな登り電車に乗ろうと改札を過ぎ、上りホームに向かう。下の通路の頭上を横切るような回廊形式。モダンかつアンティーク、レトロな味わい。このようなスタイルが、なぜ昔は貨物しか運んでいなかった鉄道の駅として建てられたのか、もう一つの不思議
さらに、この国道駅と終点の鶴見駅の間に、かつては本山と言う駅があった。鶴見には曹洞宗大本山総持寺があるが、その最寄駅だったためと想像される。今もその遺構を、鶴見駅発車間もなく見ることができるが、できるならば、その中も歩いてみたいものだ。規模こそ違え、軍艦島位の廃墟感があると思う
2011/09/03
んねぞう