人気(ひとけ)のなくもない公園 2 – May 2017

黄金週間で春だ春だと浮かれていて、気が付いたら首都圏では日差しと気温は初夏、新緑が真っ盛りとなって、何だか気持ち的にも追い立てられるように外に出て見た。今回は、時折行く庭園公園で、これまで修復工事中だった建物が4月に落成したとのことで、これを目当てに行って見た。

工事中は入れなかった内苑にて。昼間近くなので、ほぼ真上から差す日差しが影とのコントラストをなす。

白い砂利の照り返しが軒下を照らす。

平成16年に県の重要文化財に指定され、21年から修復工事が進められて来たがその工事中に火災に遭い、大半が焼失してしまったとのこと。

外光をふんだんに取り入れる設えが至る所にある。天気のせいもあるが、非常に明るい印象。

どこからでも外の緑が目に入る。

元の持ち主はこの土地の静けさが気に入って、この別邸を建てたとのこと。河岸段丘の地形も良く利用して、2階には半円形の展望室がある。住んでいた人の、静かな生活を想像してしまう。

修復工事期間中に大半が焼失してしまったので、全体的に建物は新築の状態で、歴史を感じる興趣には欠けるが、それでも所々に残った部材が使われている。照明のシャンデリアやランプシェード、支持金物は当時のものと思われる。絞りを開けて背景をぼかし、当時の雰囲気に幾分かでも浸ろうと思う。

建物を出て、いつものように野趣溢れる外苑を一周して帰途についた。

今日は晴天の、それも昼近くの光線状態だったが、西日の差す午後、そして雨の日にどの様な表情を見せてくれるか楽しみだ。

2017/05/21

んねぞう